競売・公売・任売 その1

「競売・公売・任売」を専門に扱うプロのセミナーを聞きました。
今まで競売市場と言えば、ちょっと胡散臭いイメージがあったのですが、最近は競売物件を扱う不動産プレーヤーも多くなり、不動産業の取扱分野の一つとなっています。

昨年はモラトリアム法(例の亀井静香議員が提案した法案)の影響で、競売件数は少なかったのですが、今年は増加の予想です。
競売物件の入札率(すなわち売却率)は96%ということで、ほぼ完売に近い状態。
ということは、競売物件だからと言って、必ずしも割安では買えないということでもあります。

東京の競売市場の特徴として、マンションが多いということが挙げられます。
マンションは物件的に扱いやすいし、土地や戸建のように境界や擁壁や検査済みの問題が出てきません。
瑕疵が少ないというのも、マンションのメリットです。
ホテルなどの競売物件では、どこまでが競売の対象なのかよく分からないというケースもあるそうです。

一物件に対する落札の数の平均は、東京で平均7~8本。
これが2ケタとなると過熱感があり「落札しにくい」もしくは「高値でないと落札できない」となります。
今は最初の基準価格の平均55%アップぐらいの価格で落札されています。

競売は民間の公的回収システムで、公売は税金の回収システムです。
また「任売」というのは「任意売却」の略で、競売にかけずに売却することです。
普通の不動産売却は「任売」とは言わず、売主がローンの返済などが出来ずに売却する場合を任売と言います。
売却した額より債務額の方が多いわけで、債権の調整を関係者としなければなりません。

競売の手続きは書記官と呼ばれる人たちによって行われ、裁判官は出てきません。
また執行官は手数料制で、準公務員となります。
東京などで数をこなしていると、けっこうな年収になるそうです。
執行官は書記官のO.B.が多いとのこと。