コインパーキングの使命

「懸命に仕事をする」と「お金を貯める」というのがな

ければ、不動産投資なんてあり得ないと思うのです。

市販されている不動産投資の本を読んで、いつも違和感

があるのは、それらのことがスコンと抜けているからだ

ということに気がつきました。

いかに融資を上手く引き出すかとか、いかにいい物件を

探し出すかなどばかりが強調され、本を読んでいると、

いかにも不動産投資は「濡れ手に粟」のような印象を持

ってしまいます。

もう一つ言うならば、いかに自分がうまく金儲けをする

かだけが述べられ、ユーザー(入居者)のことなどこれ

っぽっちも考えていないのです。

不動産のオーナーは、入居者の幸せやテナントの繁栄だ

けを考えていればいいと思うのです。

きれいごとを言うようですが、これが一番手っ取り早い

金儲けのコツだという気がしています。

コインパーキングだって、一度コインパーキングを始め

たならば、リピーターへの責任が生まれ、簡単にコイン

パーキングを閉鎖したり売却したりすべきではないと最

近思うようになってきました。

それが「コインパーキング屋」としての矜持(きょうじ)

でもあります。

新築マンションの工事現場の近くのコインパーキングが、

一時期、朝から晩まで満車の時がありました。

一見、我が世の花のような感じなのですが、その陰には

いつも使ってくださっていたユーザーが使えなくなって

いたという不具合があったわけです。

マンションの工事が終わり、そのコインパーキングの売

上は激減しました。

が、いつでも駐車できるので、むしろその方がリピータ

ーにとっては好都合であります。

もしコインパーキングにも使命があるとするなら、本来

の使命に戻ったということになります。

すご腕の投資家から見れば、そういった考え方は甘いの

かもしれませんが、だからこそ商売が長続きしているの

ではないかとも思うのです。