中国経済を見る その3

日本経済はデフレなのですが、中国はここにきてインフレが相当懸念される状況になってきました。
中国は「保八」といって、8%の成長率を維持しなければ国が成り立たないとの思いがありました。
ところが先日出された成長目標は「7%」。
「成長」か「インフレ退治」か、どちらを優先すべきか中国政府も迷っているようです。

もう既に上海の不動産価格で、東京を上回っているところがあります。
上海での賃金は、せいぜい日本の3分の1.
年収からだけで言えば、明らかにバブルです。
つまり実需を伴わない投機が不動産市場で行われているとみて間違いがありません。
逆に不動産の賃貸は実需。
自分の借りられる範囲の価格でないと誰も借りません。
日本でも利回りが3%を切った時点でバブルが崩壊しました。

中国では不動産投資の利回りは1%ぐらいではないでしょうか。
あるいは不動産を投機で購入したものの借り手がいず、空き家のままになっているケースもあります。
この場合は利回りはゼロ。
新築マンションですべて販売済みなのに、夜行くと電気がついていない(つまり入居者がいない)マンションのことを、中国では「鬼城」と呼んでいます。
先日、中国から来て日本に5年ぐらいいる留学と話していると「鬼城」の言葉を知りませんでした。
重慶にそんな名前の場所があるけれど「鬼城」をそのような意味で使うとは知らなかったとのことです。
きっと最近できた言葉なのでしょう。

中国では賃金も上昇し、もはや世界の工場ではなくなってきました。
安い労働力が唯一の魅力だったからです。
例えばユニクロでも、中国での生産が50%を切ったようです。
かわりにベトナムなどの東南アジアの国々が、中国に取って代わって「世界の工場」を目指しています。