今回の東日本大震災の被害の全容は、まだまだ分からないのですが、この大ピンチを日本復活の足掛かりとしたいものです。
日本は今まで大変な国難に出会うたびに、見事にそれらを克服してきました。
新しい飛躍がここから始まるような気がしてならないのです。
日本人の集中力や団結力。
日本の底力が姿を現すのに、そんなに時間はかからないはずです。
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経済的にも裏付けがあります。
日本が持つ最大の問題は「デフレギャップ」でした。
その額は30兆円から35兆円と言われています。
デフレギャップとは「供給」が「需要」を上回っていること。
今回の大災害で「供給」が減るのは間違いがありません。
また多くのストックが滅失し「需要」が増大するのも間違いありません。
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このため日本経済の足を引っ張っていた「デフレギャップ」があっさりと解消されるのではないかと思うのです。
国債や財政の制約があったため、公共投資を増加させるのは至難の技だったのですが、今回の大災害で有無を言わさず、復興への資金を市場に出さなければなりません。
これはケインズ流「有効需要の創出」そのものではないですか。
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震災と同時に円が上昇しています。
これもまた不思議な話ですが(ふつう円安になりそうなものです)、この僥倖を活用しない手はありません。
円高になればモノが安く買えます。
復興に向けていくらでも物資が必要な時に、海外から安く調達できるのです。
まさに神風。
間違っても政府が為替介入などをしないことを願っています。
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震災特需のような必要物資は、円高を活用して、どんどん海外から購入すればいいのです。
日本国内で生産しようとすると、特需がなくなった時に過剰設備だけが残るリスクがあります。
閉塞感が漂い、どういう方向へ向かえばいいのか分からなかった日本ですが、「復活」という明確な目標とチャンスが生まれたのです。