変化するものが生き残る

10年前の勝者が必ずしも現在の勝者とは限らず、ましてや10年後の勝者である保証は全くありません。
かつての成功体験に拘(こだわ)っていると、いつの間にか時代から取り残されていくのです。
今の時代の恐ろしさは、変化のスピードの速さではないかと思います。
常に勉強し、いつでも変化できる体制にしておくことが大切です。
ちょっと成功したからといって驕(おご)っていてはいけないのです。
驕りのすぐ前には深いクレバスが待っているのです。

新しい商品が出ると10年もせぬうちに、今までの普及商品が姿を消すという現象をいくつも目にするようになりました。
CDが登場し、1990年から7年でレコードを駆逐してしまいました。
かつてレコード針でナンバーワンだった会社は、とっくの昔に姿を消したのかと思っていたら、主力製品を別のものに移し替え、見事に生き残っていました(これだって変化しなければ生き残っていけなかったのです)。

そのCDだって、パソコンや携帯に直接ダウンロードできるようになり、その存在が危ぶまれています。
全国に店舗を張り巡らせたCDレンタル店だって、今度は逆にその店舗網がコスト高となり、足を引っ張るかもしれません。
全く世の中どう転ぶか分かったものじゃありません。

携帯電話は1995年からの6年間で固定電話を超えるようになりました。
新興国後進国では、固定電話が普及する時代を経験せずに、いきなり携帯電話がメインとなっています。
デジカメは2000年から5年間で銀塩カメラを駆逐しました。
フィルムも現像も、あっという間に要らなくなってしまうなんて、誰が想像したでしょうか。

で、次なるビッグ商品は「電気自動車」。
今は最初の購入金額が高いだけで、あとの燃料費やメンテナンス費は、どう考えてもガソリン車よりも電気自動車の方が安いのです。
今でもガソリンスタンドがどんどんなくなっていますが、電気自動車が普及すればさらに姿を消していくに違いありません。
そうするとガソリンを入れるところが遠くなるので、ますますガソリン車が敬遠されるということになります。
あと7,8年で街を走る自動車の大半が電気自動車になっているかもしれません。
電気自動車は電化製品なので、そうなると電気量販店での販売が主流になり、販売店すら淘汰される可能性が大なのです。