掃除の効力 その1

鍵山(秀三郎)流掃除を始め出して20年経ちました。
毎朝2時間掃除し続けてきたのですが、やっぱり続けてよかったように思います。
小さなオフィスに引越ししたこともあり、今は一人で掃除することが多くなりました。
以前の4分の1ほどの広さになったし、トイレの掃除もなくなったので、「こんなの楽勝!」と甘く見ていたのですが、その甘さが吹き飛ぶのに、それほど時間はかかりませんでした。

時間がたっぷりとあるときの掃除は楽しいのですが、時間がなくなってくると、心の余裕もなくなってきます。
やらなければいけないところがたくさん残っているのに、始業時間が刻々と迫ってくると、大袈裟に言えば「泣きたく」なってきます。
人生は限られているのに、掃除ばっかりせずに、仕事や勉強をしたほうが、時間が有効なのではないかという疑問もあります。

その疑問に対する私の答えは、「掃除は修行だ」。
確かに毎朝2時間を20年間やり遂げること自体が、なかなか出来ないことでもあります。
これが自信にもなっているし、あるいは多少謙虚さにもつながっているかもしれません。
本当に磨き抜かれた掃除には透明感が感じられます。
逆に透明感が感じられる「場」は、お店にしろ、オフィスにしろ、ホテルにしろ、レストランにしろ、一流であることの証明だと言って間違いありません。

落ち葉の掃除などは、みるみるきれいになっていくので大好きなのですが、やはり掃除には肉体的にツライことも少なくないのです。
そんな時に「掃除は修行だ」の言葉は、ひじょうに自分を納得させやすいのですが、本当は会社経営自体ににとっても、掃除はとても有効な手段なのです。

掃除はP/Lにはあまり効かないけれど、掃除をやっているといつの間にかB/Sが良くなっていくというのは、私自身の経験でもあります。
当社が無借金になったのは、掃除をやり続けたことと密接に結びついているような気がしてなりません。
掃除をやり始めた頃から、徐々に無借金に向かってB/Sが勝手に動き出したという感じなのです。