いい公共投資、悪い公共投資

需給のバランスが崩れ、需要が供給を上回る場合はインフレ。
供給が需要を上回っているときはデフレとなります。
デフレの時は需要が足らないわけですから、何らかの方法で需要を作っていかなければなりません。
今のような時期は、個人消費も企業投資も先行き不安で減速します。
また輸出も相手あってのことなので、一方的に期待するわけにもいきません。

従って残るは政府支出のみ。
いわゆる公共投資です。
「ムダな公共投資はしてはいけない」とか、あるは逆に「ムダな公共投資というのはない」とか、私自身も公共投資をどうとらえたらいいのかよく分からないところがありました。
が最近、公共投資の本質が少し分かってきました。

要は公共投資であっても「投資効率」が求められるということなのです。
公共投資したものの、ほとんど活用されなかったり、維持管理費ばかりが増えたりするようなものはダメなのです。
公共投資により、利便性がグンと高まったり、エネルギーが大幅に減らせたりするようなものがいいわけです。
サルしか通らないような山の中の道路とか、魚釣りしか出来ないような地方の港湾施設では、やはり投資効率がいいとは言えません。
そういった施設が、地方出身の剛腕政治家によって無理やり作られたというケースが今まで多かったから、公共投資に対する批判があったのでしょう。

民間の投資でも、仮に同じリスクであるならば、10%のリターンが返ってくるものと3%のものとでは、10%の方がいいに決まっています。
特に公共投資の場合、リスクはあまり考えなくてもいいわけで、出来るだけリターンの大きいものが望まれます。
また民間ではなかなか出来ないような大きな総額のものこそ、国がやるべき事業だと思います。

今なら差し詰め、個人の居宅や企業のビルのソーラー発電への補助や、羽田空港のハブ化への投資などです。
あるいは東京にある「開かずの踏切」の立体交差工事。
これらは必ず大きなリターンをもたらすはずです。
世界一のコンピュータを目指す予算を削ってしまっては、日本は二流の国に低迷してしまいます。