臨界点を超えると、目に見えて変化する

大手商社の副社長まで務めた人が、若い頃スペインへ赴任。
とにかくスペイン語を覚えようと、必死で勉強したところ、3ヶ月半ほどたったある日、急に周りの人たちの言葉が分かり出したのだそうです。
私の知人も学生時代にアメリカへ留学し、1年ほどたった日に、突如として英語が理解できるようになったとのこと。
楽天の野村元監督が現役で新米の頃、スローイングの力をつけようと遠投を繰り返し練習していたら、4カ月目にして急に効果が出てきたとの話を読んだことがあります。

物事には臨界点があるのですね。
その臨界点を過ぎたところから、急速に伸び出したり、変化したりするのだと思います。
逆に言えば、せっかく努力しているのに、臨界点を待たずして止めてしまうと、今までの努力が水の泡になってしまいます。
この臨界点を見極めるのはまことに難しく、愚直に続けていくしか方法はないのかもしれません。

昔から言われている成功の3つの要素「運鈍根」の「鈍」は愚直さ、「根」は根気を表します。
3つのうち、2つまで「継続」に関することだというのは示唆に富んでいるではないですか。
勉強でもスポーツでも仕事でも、結局は「やる気の持続」がすべてだと言っても過言ではありません。

自分が何をやりたいのかをまず見つけること。
これが簡単そうで実に難しい。
学生時代や、あるいはサラリーマン時代、自分がこの人生で何をしたいのかが、私にはさっぱり分かりませんでした。
「何がやりたいのか」さえ分かれば、あとはその道にまっしぐらでいいわけです。
ただしやっていることが嫌で嫌で仕方がない時は、ひょっとしてその道が間違っているのかもしれません。
この見極めも難しいのですが、この時は「見切り千両」。
過去をあっさり捨て去り、別の道を探すべきです。