ベトナムから日本に留学し土木工学を勉強しているDさんと、食事をしながらじっくりとお話をしました。
「日本の土木技術はレベルが高いか?」との私の質問に「優れている。特にトンネル技術は世界一」とのことでした。
日本の大手建設会社に内定をもらい、来年から働き出すのだそうです。
今の就職難の時期に本当によかったと、私もその話を聞いてホッとしました。
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Dさんは「日本人はスゴイ」と心底思っているようです。
勤勉だし協力する精神がある。
ベトナムではあまり協力し合うことがないそうです。
「日本人は農耕民族だから協力し合うのだ」と日本人自身も思いこんでいるわけですが、農耕民族という意味ではベトナムも同じ。
従って「農耕民族=協力型」という方程式は、必ずしも正しいものではないようなのです。
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ベトナムは親日的だそうです。
日本人もベトナムに対しては、どちらか言うといい印象を持っているのではないでしょうか。
ベトナムに入国する時にビザがいらないのは、日本人だけのようです。
フランス人も韓国人もビザが必要。
逆にベトナム人がアメリカに入国するのは、なかなか許可が下りないのだそうです。
やっぱり社会主義国だからなのでしょう。
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ベトナム戦争では、北ベトナムは中国の支援を受けていました。
しかし今は中国に対して警戒感があるそうです。
中国国境に近い場所でウランが産出されるところがあるのですが、中国の教科書ではそこは中国領となっているとのこと。
ベトナム人にしてみたら、ちょっとカチンと来ますよね。
今ベトナムは日本やアメリカとの交流を強めようとしているようです。
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ベトナムは千年間中国の支配を受けてきました。
千年間も支配を受けてもベトナムをメルトダウンさせなかったものは一体何だったのでしょうか?
日本ならたぶん「日本語」と「神道」(天皇の継承も含まれます)。
その国を形作るコアは何なのかを研究していくのも面白いかもしれません。
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Dさんは国費留学で日本に来ました。
お父さんもお母さんも新聞記者だそうです。
弟は航空会社で働いているとのことで、きっと頭のいいエリートの家系なのでしょう。
Dさんと私とは30歳ほども年齢が違うのですが、こういう優秀な人と話すのは本当に楽しいですね。
Dさんのような優秀な人が海外から日本にどんどん入ってくれば、日本はそれだけで活気づくように思います。
現にアメリカがそうです。
世界から優秀な人たちが集まり、ITを始め新しい技術が次々と開発されています。
アメリカという国に、それだけ魅力があるということなのでしょう。
日本もそういった方向に向かっていくのだと思います。