『ニンジンの奇跡』

deguchi2009-10-19

『ニンジンの奇跡』(赤峰勝人・講談社新書・838円)のご紹介です。
著者は農業高校で近代科学農法を夢中になって勉強し、化学肥料や農薬の使い方を取得。
初めのうちは上手くいき、売上も上がっていたのですが、だんだんと作物が成長しなくなっていきました。
そうすると化学肥料や農薬の費用は馬鹿にならないのに、収入は減る一方。
公私ともにメゲることが続いた時期に、ある農業研究者と出会い、以降その講演の「追っかけ」に。
そこから無農薬農法のスタートを切ったそうです。

無農薬だけではなく、無化学肥料農法にしなければいけないことに、まもなく気づくことになります。
雑草や害虫が、実は野菜を育てるのに必要な役割をしていることも発見。
畑にいて、土を見て、草を見て、野菜を見ていると、科学や一般常識に反する自然の力に遭遇するのだそうです。

やがてエネルギーをその体内にいっぱい詰め込んだような、見事なニンジンが出来上がったのですが、それを引きぬいている時、突然あることが閃(ひらめ)き感動したそうです。
「すべては回っている!」
「宇宙に存在するすべてのものは、巡回している」
太陽から受ける命のエネルギーが、水や空気や大地や草や生き物たちの間を、形を変えながら循環していることに気がついたのです。

そうこうしているうちに、著者の作る野菜がアトピーによく効くということが分かってきました。
研究の結果、アトピーが出る体の場所と、食べ物の種類にも関係があることも発見。
アトピーやその他の難病の原因は、食べ物に含まれる農薬や化学肥料、食料添加物などの化学合成物質だと確信できるようになったそうです。
逆にそれらを排除し、大地から命を受け継いできた作物と、自然の海の塩を使ってできた発酵食品を取っていくと、大抵の病気は改善されるのだそうです。
天然の塩は自然治癒力を高めるとのこと。

月の動きをもとに作られた、陰暦に従って農業を行っていくと、ひじょうに具合がいいのだそうです。
また種をまくときは、心穏やかにしないと、種が発芽しないとのこと。
単に農業だけでなく、宇宙の法則まで考えさせられる本でした。
当然評価はAAAであります。