最先端産業としての農業

たまたまテレビで「最先端のイチゴ栽培」の番組を見ました。
大きな温室の中で、気温や湿度がコンピュータによってすべて管理され、「農業の工業化」といった印象を受けました。
そこでは1つぶ千円のイチゴが栽培されているのだそうです。

またこれは別のイチゴの栽培所の話ですが、美味しく実ったイチゴだけを選別して、採取するのも箱詰するのもすべてロボットが行っているところもあるようです。
時代に合わなくなった法律や制度をなくしてしまえば、日本の農業は大きな潜在能力を持った経済分野であることは間違いがないようです。

100万坪にも及ぶ農場で11種類ものコシヒカリを生産している人もいるとのこと。
牛丼専用のコシヒカリや、回転ずし専用のコシヒカリがあるそうです。
それらのお米は最初から買ってくれるチェーン店が決まっているため、売れ残りはゼロ。

またそこには農場の手伝いをする、30歳前後の若者が9名います。
彼らは全員が大卒で、大手企業への就職を経験した人たちばかりです。
優秀な人たちが農業に足を踏み入れ、頑張っているのは頼もしい限りです。

乳牛の乳絞りにロボットが活躍している農場もあるようです。
そこでは乳が張ってくると、牛がロボットにすり寄ってくるのだそうです。
この作業をロボットに任せることにより、人件費が4割削減できるとのこと。

農業と言えば高年齢者の働き手ばかりで、どちらかというと遅れた産業のような印象がありますが、このような農場を見ると、農業はまさに成長産業そのものです。
優秀な企業(例えばトヨタなど)が農業を始めることが出来るように制度を改革すれば、日本の農製品は世界で絶賛されるブランドになる可能性を秘めていると思うのです。

どうして「農業の後進性」が保護されているかと言えば、やはり農業地域偏重の選挙制度が原因であろうと思います。
都会と地方とでは1票の価値が違うのです。
企業も農業に参加できるようにすると「補助金だらけの農業」から「輸出で稼ぐ農業」に変身していくに違いないと思うのです。