インターネットの活用を考える その2

不動産仲介業務には「元付け(物件受託)業者」と「客付け業者」が存在します(時として一社がその両方を兼ねることも少なくないのですが)。
インターネット取引がもっと普及していくと、客付け業者はその存在意味がなくなっていくように思うのです。
インターネットを見て、顧客が直接「元付け業者」に問い合わせするからです。

早い話がマンスリーマンションの客付けは、100%がインターネットです。
売買仲介にせよ、賃貸仲介にせよ、近い将来(インターネットの世界は動きが早いので、来年ぐらいにはひょっとして)、ほとんどすべての取引が「客付け業者」を飛ばして、元付け業者との直取引となる可能性があります。

不動産会社にとっても「元付け」側に回らないと、ホームページ上の情報管理ができません。
自社の直物件でないと「契約済み」がリアルタイムで分からないからです。
契約済みの物件が消されないまま、長い間情報として放置されるケースが少なくなく、もうそれだけで信頼を失ってしまいます。
数をたくさん載せたい気持ちは分かるのですが、信用を失う方が痛手は大きいのではないでしょうか。

インターネットを活用しようとする時、単に広告の手段と考えるだけでは不十分で、会社本体の事業や業態まで変える必要性が出てくるように思うのです。
インターネット販売で一番大切なのは「コンセプト」。
つまり「わが社はどんな顧客に何を売りたいのか?」なのです。
ひとことで言えば「絞り込み」。
事業も物件も顧客も絞り込まなければいけないのです。

「絞り込み」とは得意技を作るということでもあります。
得意技を持たないと、利益を上げることも、生き残ることも難しい時代になってきました。
第一、仕事をしていても面白くないのです。
得意な地域、得意な顧客層、得意な商品、得意な技術…そこに特化し集中することが極めて重要。
例えばコインパーキングに事業を集中し、80億円もの利益を上げている会社もあるのです。