年千冊の読書

世界金融危機を勉強するのに、何冊も本を読んでいると、どの人が一番的確で、本質をついているかが、だんだんと分かってきます。
金融だけの危機にとどまらず、世界経済全体の危機にまで問題が広がったわけですが、これが世界のバランス、すなわち軍事や政治にまで波及するのは時間の問題となってきました。
そうすると単に小手先の目利きだけではなく、その人が持つ歴史観や人生観まで問われてきます。
おのずと「本物」と、それ以外の雑多な著者との区別がつくようになってきます。

本の世界でも「恩人」もしくは「恩書」というのがあり、それらの人や書物にどれだけ出会うかが、素晴らしい人生を切り開く鍵であるといっても過言ではありません。
私の地下の書庫には渡部昇一先生の500冊をはじめ、100冊以上の本がある著者が何人かいます。
これらの人たちのご本が、どれだけ自分の血肉となってきたか…感謝の一言につきます。

昔、博打にめっぽう強かった親分がいて、その人に博打のコツを聞いた人がいます。
答えは「まわりを見渡して、ツキのある人についていく」。
松下幸之助も「採用試験では一つだけ聞けばいい。それは運が良かったかどうか」。
逆にツキのない人たちと交わっていると、自分の運も悪くなっていくようです。
要は運のいい人と付き合い、正しい方向を向いた本を読んでいくべきだということです。

年に本を1,000冊読んでいる人は、そんなにはいません。
ましてや私は現役のビジネスマン。
その数はますます絞られると思います。
ひょっとしたら、そこが自分の「生きる道」かもしれないと思ったりもします。
いずれにせよ「年千冊」を続ければ、必ず見えてくるものがあるはずです(最近それは確信に変わってきました)。

ポイントは時間と健康。
「夜の会合に出ない」はこの2つともに効果大なのです。
ほかにも無駄な時間を使っていることは、けっこうあると思うのです。
会社でも無駄な時間はコストにつながります。
もっと事業も生活もシンプルにする必要があるのかもしれません。
来年からは今年の反省も踏まえ、より密度の濃い充実した年にしていきたいと願っています。