言語オタク その2

「言語オタク」の話をブログに書いていたら、友人の I さんからメールがきて、次のような質問がありました。

学校で仮定法を習った時、”I wish I were a bird.”という文章があったけれど、これはどうして”I were”であって”I was”ではないのでしょう?

言ってみれば確かにそうで、今まで疑問にすら思いませんでした。
こんな難しい質問は私の手には負えないので、さっそく大学で英語を研究しているFさんに聞いてみました。
Fさんからのご返事です。

仮定法のご質問ですが、私は次のように考えます。
I wish I were a bird.は formal な言い方です。学校で教えられるのは、この用法が多いかと思います。
ただしI wish I was a bird. という言い方もします。
Googleで両方の言い方の実態を調べてみました。
検索結果は次のとおりです。   
I wish I were a bird.  26200件
I wish I was a bird. 84700件
意外にwasのほうが多いようです。
もちろん用例をさらに細かく見る必要があると思います(nativeでない文章も多くあるはずで、それを除外すべきかもしれません)。
結論としては、were用法は規範文法っぽく、was用法も可能だということになります。

なるほど、なるほど。
それにしてもグーグルを使って用法の検証をするとは思いもつきませんでした。
Nativeだから正しい英語を使うとは限らず、また言葉は時代とともに変化していきます。
より多くの人々に支持される言葉やその使い方が主流となっていくのでしょう。
例えば日本語の「全然」という言葉は、「全然〜ない」という風に、必ずそのあとには否定語が来るはずだったのが、最近は「全然かっこいい」などと後に肯定文が来ることが多くなりました。
これなどもその使い方で定着するのかもしれません(現にしている?)。
「ら」抜き言葉や「い」抜き言葉(「している」と言わずに「してる」と言う)なども、標準日本語として間違いではなくなっていくように感じます。