「もったいない思想」の先を行く

モノを捨て去ると、空間的にも精神的にも相当スッキリします。
自宅の引越しでも、会社の「スペース・コスト」対策でも、捨てまくりました。
昨年は最初から最後まで「捨てる」1年だったように思います。
カバンを替え、パソコンを替え、車を替え、家を替えました。
ということは、以前のものはすべて処分したわけです。

「もったいない」は日本人が持つ美徳だとは思いますが、捨てるに際し「もったいない」気持ちが出てくると、どうも捨て去る行為が中途半端になってしまうのです。
従っていつまでもスッキリしないのです。
「思い切って」が「もったいない」を圧倒しないと、新しい空間は手に入れることができません。

会社の電話機はすべてポータブルに替えました。
以前の電話機も当然何の支障もなく使えるものでしたが、思い切って替えて本当によかったと思っています。
社内のどこへでも話しながら移動することが出来ます。
「まだ使えるのに」や「もったいない」では、この改革は出来ませんでした。

コピー機など「まだ使える」の最たるもので、使っている間は何の不都合も感じませんでした。
が、新しいコピー機は予想を上回る利便性をもたらし、コピー、カラープリンタ、ファックス、スキャナが一体となったおかげで、新しい空間が生まれ、それを機に一挙に「スペース・コスト」退治に取り組むことが出来たというしだいです。

今まで車など、一度購入したら10年間は乗っていました。
まだ十分乗れるのに買い換えるのは「もったいない」。
しかしこれからは、出来るだけ早く乗り換えていこうと考えています。
ナビをはじめ最新の技術が活用できるからです。
10数年使ったドイツ車からトヨタに乗り換え、これほど車が進化しているとは夢にも思いませんでした。
知らず知らずのうちに、時代に乗り遅れていたわけです。

パソコンだって、2年ぐらいで買い換えていってもいいかもしれないと思っています。
パソコンこそ新しい技術の塊(かたまり)。
新しいものほど利便性が増していると思われるからです。
パソコンは必ず壊れるもの。
ならば使用不可になる前に新しいものに変えておく方が、リスク管理から言っても断然いいように思うのです。
壊れてからではデータの取り出しは大変です。
壊れる前なら、余裕を持ってデータを移し変えることが出来ます。

マンションのモーターなども、耐用年数いっぱいまで使おうとすると、一番具合の悪い時に故障することになっています。
耐用年数のちょっと手前で交換するようにすれば、こちらのペースで手配することが出来ます。
賃貸住宅のエアコンや給湯器なども、壊れてから交換するのではなく、壊れる前に早い目に交換していくのが、結局は経済的にも有利だと思うのです。
「もったいない思想」とは逆行するのですが、先に先に新しいものに替えていく方が、精神的にも随分スッキリして前向きな意欲が湧いてくるというのは、私の経験則でもあるのです。