サブプライム問題

新卒の就職状況は、今のところ売り手市場のようですが、これがどう変化していくのか、ちょっと予測がつきません。
かつての日本のバブルでは、経済が復活するのに結局15年ほどかかりましたが、今回のサブプライムでは、アメリカ経済始め、世界の経済はどうなっていくのでしょうか?

昨年10月にアメリカに行ってきた不動産業の人がいます。
サブプライム問題の現地での実感は、昔の日本のバブルとそっくりだということ。
アメリカでは海辺の家が高級住宅になっている場合が多いそうですが、土地が200坪ぐらい、建坪が100坪くらいの家で、なんと6億円。
20年前だとせいぜい7,000万円くらいの物件だそうです。
やっぱりこりゃバブルです。
2年前に私がハワイへ行った時も、住宅の価格が日本の感覚から言えば相当高くなっている感じがしました。
日本の不動産は「高い高い」と言われていたのですが、アメリカは日本よりもはるかに高くなっていると思ったものです。

アメリカの現地不動産業者の取引件数は、対前年同月比で30%しかないそうです。
社員も半分ぐらいクビにしているとか。
モゲージブローカーが、手数料の高いサブプライムローンばかり売った結果が、このような形で出てきたとのこと。
単に信用力の低い人たちへの販売だけでなく、信用力の高い人にも手数料欲しさに変動金利を売っていたようです。
個人が住宅を投資用として購入するケースでも、サブプライムローンがかなり使われていたのではないかと推測されます。

サブプライムローンは、借りた当初は5パーセントぐらいの金利
2,3年後から金利が10パーセントぐらいに跳ね上がります。
普通に考えれば、低所得者がこれを返済していけるわけがないのですが、不動産が値上がりしていけば、住宅を売却してもいいし、上がった担保力で低金利のローンに付け替えしてもいいわけです。
要は不動産が値上がりさえしていれば、どうにでもなるということなのです。
あくまでも不動産の値上がりが前提。
この前提が崩れると、事態は一挙に逆回転していきます。

銀行や投資会社は早く損を確定させたいのですが、これがなかなかできないのです。
損を確定したと思ったら、不動産価格がそこからまだ下がっており、ますます損が出る。
底なし沼のような値下がりに、恐怖のどん底に押しやられるというのは、かつての日本のバブルで経験したことでした。
当事者はまともな判断が出来ないのです。
かつて長銀が破綻し、わずか10億円で売りに出されたにもかかわらず、日本の銀行や投資家は手が出ず、結局外資が購入し、再建して大儲けしました。
今度は日本の企業が世界の値下がり不動産に対し、逆のことをすればいいのです。

幸い日本の銀行や証券会社は、サブプライム問題では、比較的直接損失は少なかったようです(とは言えすごい額ですが)。
イギリスでは「ノーザン・ロック」という銀行の取り付け騒ぎまで起こっています。
実は英語の勉強のため、BBCのインターネット記事を読んでいたら、このノーザン・ロックのことが出ていたのです。
その時は、その騒ぎがサブプライム問題に起因しているとは、全く知りませんでした。

私自身が投資しているあるファンドも、サブプライム問題でゴタゴタしているようです。
サブプライム問題なんて他人事だと思っていたのに、自分の身に降りかかってくるとは思いもよりませんでした。
この際プラス思考で、今回のサブプライム問題を、世界経済の勉強のための取っ掛かりにしてみようと思っています。