「本業に集中」路線

案内が来て、ちょっと興味を持つ内容の集まりだと、ホイホイとその予定を手帳に入れてしまいます。
ルーティンワークに食い込むような予定だと、その日が近づくにつれ、だんだんと気が重くなってきます。
で、キャンセル。
ならば最初から予定に入れなければいいのに…。

セミナーなどに参加する場合、会場への往復の時間も入れると最低4〜5時間は時間を取られます。
よほどいいセミナーや時代の最先端をいくセミナーでない限り、セミナーに費やす時間分、本を読んだ方が効率的な気がします。
そのテーマに即した本を5冊ぐらい読めば、1時間半のセミナーよりも深い内容を取得できるのではないでしょうか。
仮に4時間あるとしたら、5,6冊の本は読めそうです。

あっという間に過ぎ去る1日、もっと言えば一生ですから、あれもこれもというわけにはいかないのです。
自分は今世(こんぜ)何をしたいのかをハッキリ決め、それに向かって自分が持っている「経営資源」を集中していかなければいけないと思うのです。
少なくとも男は仕事をするために、この世に生まれてきたわけですから、自分のやりたいと思う仕事に集中すべきです。
またそんな人は魅力的です。

物事を継続させていく力を、仮に根気と呼ぶならば、根気は才能を圧倒的に凌駕(りょうが)します。
うぬぼれの才能は、鉦(かね)や太鼓をたたいて道を歩くようなもの。
人が集まり、思うように前へ進めません。
コツコツとした根気は地味すぎて、だれも気がつかない。
しかしハッと気がついたときには、才能よりも根気のほうが、はるかに前を行っているのです。
スポットライトを浴びなくても“どうってことない”自分であるのかどうか。

わが師鍵山秀三郎先生は「謙虚道10段」のような方なので、弟子の自分が虚飾をいっぱいつけたまま生きるわけにはいかないのです。
鍵山先生の一生を通して「掃除」という一本の筋が通っています。
私も鍵山先生を知ってから、17年間半掃除を続けています。
バブルの前から掃除をやっていれば、たぶんバブル崩壊であんなに苦しむことはなかったように思います。
阪神大震災の頃は掃除をやっていました。
だからあっという間に片づけを終えることができ、掃除も途切れることはありませんでした。
会社の再開は相当早い方ではなかったかと思います。

ここしばらくは愚直にルーティンワークを続けていこうと思っています。
百数十ヶ所ある管理物件を、もう一度全部回ってみようと思います。
数が多いのですが、焦らずじっくりと納得のいく巡回をしていくつもりです。
今こそ「本業に集中」路線を歩むべきだと思っています。