百貨店業界

百貨店業界の人の講演を聞きました。
やはり女性とシニアが消費をリードしているそうです。
百貨店の売上は店頭に凝縮されています。
日々変化するお客様の要望に、いかに答えていくかが勝負。
逆に言えば、販売員が接客をする時間をどう増やしていくのか。
つまりそれを阻害している要因を排除していけばいいわけです。

百貨店の売上にとって、今後プラスになる要因は、団塊世代の退職金。
2〜3兆円になると言われています。
また阻害する要因としては、所得自体は伸びていないことや天候不順(温暖化)。
ちなみに東京や大阪はたぶん世界で一番暑さがこたえる都市ではないかということです。

百貨店の売上は、10年連続で前年を割っています。
1996年には、景気が一度上がったのですが、橋本内閣の増税で腰が折れてしまいました。
いま百貨店は、合併や統合によるグループ化が進んでいます。
アメリカを見ても、1970年は202社の百貨店があったのが、2006年には17のグループに統合されているとのこと。
少し遅れて日本にも同じ現象が起こっています。

三越の売上はずっと落ち続けていて、財務的にも有利子債務が多いという問題点があります。
そこで三井住友銀行主導で伊勢丹との統合が図られました。
三越のメインバンクは三井住友銀行
伊勢丹のメインバンクは三菱東京UFJ
メインバンクの違いなど、この際どうこう言っておられなかったのかもしれません。

三越は岡田事件やI社長拡大路線で大きな傷を負い、それが回復せぬまま今日に至ったようです。
三越損益分岐点が94.2パーセントで、百貨店業界の中では一番高くなっています。
三越にとっては、海外ファンドに買われてバラバラにされるのが一番怖かったゆえ、伊勢丹との統合には案外拒否反応は少ないようです。

伊勢丹はかつて株の買占めにあっていたので、大きな投資できず、かえってそれがよかったとのことでした。
伊勢丹のトップは営業出身のみ。もっと言えば婦人服経験者のみだという特徴を持っています。