26歳でワンルーム・マンションを供給する会社を
上場させた人がいます。
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上場後しばらくあとで、その人のインタビュー
記事を読んだことがあるのですが「今は勢いが
あるかもしれないけれど、会社を破たんさせるの
では?」という印象を、そのとき何となく持ったこ
とを覚えています。
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案の定、上場後4年で民事再生法を申請しています。
(今はまた不動産業に舞い戻り、新しい会社を経営
しているようですが)。
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その人が会社倒産に至るまでの経過を書いた本を
出したので、読んでみました。
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私も1989年をピークとするバブルのあと、会社を
潰しかけたので、身につまされる思いで一気に読
みました。
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会社が順調に大きくなるにつれ、自分が大物になっ
た錯覚に陥るのは、ある意味仕方がないのかもし
れません。
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ほかの新興上場会社の経営者たちとの付き合いが
増え、高級クラブに入り浸るようになり、ついで
に芸能人たちとの付き合いも始まります。
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朝まで飲んでいるものだから、会社への出社が段々
と昼近くになっていきます。
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その人とは別の話ですが、会社のお金106億円を
バクチにすってしまい、逮捕までされた製紙会社
の元社長がいました。
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その人の本を読んでも生活の乱れがいたるところ
に見受けられました。
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常識では考えられない異常な行動を繰り返すので
すが、本人にはそれが異常とは分からないのです。
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まわりが誰も注意してくれない状況(というより、
諫言しても本人が耳を貸さないわけですが)に
いると、悪い習慣の修正のしようがありません。
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仮に定期的に神社に参拝するならば、ケガレが払
われ「自分の生き方はおかしいのでは?」くらい
は気がつくのではないかと思います。
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さて前述のワンルーム・マンションの元社長です
が、朝4時まで飲んでいた仲間4人のうち、のちに
2人が逮捕され、そしてあとの2人が会社を倒産さ
せたことが書いてありました。
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会社をおかしくしたければ、朝4時まで飲み歩い
ていればいいということが、よく分かりました。