反面教師の本から学ぶ

「何の本が良かったか?」の質問はよく受けるのですが、あまりにたくさん読み過ぎていて咄嗟に答えることが出来ません。
ごくごくたまに、魂が揺さぶられ、人生が変わってしまうほどの本と出会うことがあります。
経営者の本であったり、宗教家が書いた本であったりすることが多いのですが、そんな時は大袈裟でなく「生きていてよかった!」と思います。

初めての著者で「これは素晴らしい!」と思える本と出会うことがあります。
そんな場合はその著者の過去の本を全部取り寄せます。
こういう時、インターネットは極めて便利ですね。
私自身はたぶんアマゾンの上位数パーセントの中に入るヘビーユーザーではないかと思っています。

「人生で大事なことはすべて本で学んだ」と言ってもいいかもしれません。
魂が揺さぶられるほどの本でなくても「普通に良い本」でも十分読んだ価値はあります。
1冊に1つ学ぶ点があったとしても、その積み重ねは大きいのです。

また良い本とは言えなくても、反面教師になる本もあるのです。
以前、会社のお金を100億円ほどカジノですって逮捕された上場会社(製紙会社)の社長がいました。
その本を読んでいると夜の遊びも派手で、経営者仲間での遊び友達の名前も書いてありました。
そのうちの一人はマンションデベロッパーで、すでに倒産していました。

先日ホリエモンの自伝を読み、やはり反面教師として大いに勉強になりました。
彼は貧しくて両親の仲が悪い家庭に育ったのですが、ホリエモンは何に対しても集中力がスゴイのです。
たまたまその集中力が勉強に向かい、東大に合格しています。

東大に合格したからといって真面目に勉強したわけではなく、寮に入って相当自堕落な生活をしていました。
たまたまIT関係のアルバイト先で、例の集中力を発揮し、頭角を現していくのです。
独立してからは、常にオフィスのスペースが足らないぐらい会社が大きくなっていきました。

近鉄バッファローズの購入に手を挙げたあたりから世間から注目を浴び、以降はマスコミの寵児となりました。
が、その傲岸とも思える言動が仇となり、次第に世間からのバッシングが強くなり、最後は逮捕までされる羽目に陥(おちい)ったのです。

本を読んでいると、ホリエモンにはいくつかターニングポイントがありました。
その時点で違う選択を取っていれば、今頃は優良IT企業の創業者として一目置かれ、尊敬される存在になっていたかもしれません。
いずれにせよ「転落の原因は驕りにあり」ということを改めて認識しました。