本気の勉強

昔、不動産業界の人で、心底スゴイと思った人が

います。

私も若かったのですが、その人も30代ではなかっ

たかと思います。

その人は大手の不動産会社に勤めていたのですが、

こと不動産に関しては、法律のことは税理士より

も詳しく、税金のことは税理士よりもよく知り、

建築のことは設計士よりも上を行くことを目指し、

猛勉強したそうです。

自分の明日の実務につながっていく勉強なので、

これほど有益で面白い勉強もないのではないか

と思います。

その人は後ほど自分の会社を立ち上げ、その会社

は何と一部上場企業にまでになっています。

しかも一部上場なのに社員数はわずか20名程。

ちょっと前は10名を切っていたこともあり、一部

上場の中では最少人数の会社でありました。

創業会社を一部上場にまで持っていく社長と言え

ば、超やり手で剛腕の持ち主のイメージがありま

すが、その人は物静かで学者と言ってもおかしく

ない雰囲気の持ち主でした。

私はその人に刺激を受け「ようし、自分も明日か

ら勉強するぞ!」と発奮したのですが、残念なが

ら「明日」からはできませんでした。

結局、自分が納得できる量の勉強をやり始めたのは、

発奮してから20年後(!)でありました。

それまでは“なんだかんだ”と毎日のバタバタに追

いまくられていたというわけです。

どこかで自分の仕事や生活パターンを変えなければ

いけないと分かっていても、実行するのは相当難し

いということなのです。

今の私は幸い、まずまず納得できるレベルの勉強を

していますが、それでもついついルーティンワーク

を優先してしまい、勉強を蔑(ないがし)ろにして

しまうことがあります。

いかに余計なことを排除するかが、今の私にとって

最大の課題でもあります。