マニラです。その5

海外に出た時、その国の親日度を測る1つの基準があります。
それは「日本車がどれぐらいの割合で走っているか」です。
韓国ではほとんど日本のクルマを見かけませんが、インドネシアだと日本車でない車を見つける方が難しいぐらいです。

その国の民度を測る基準もあります。
それは「運転マナー」。
発展途上国は“やはり”運転マナーが悪いのです。
交通渋滞も加わって、自分で運転するのはゼッタイにやめた方がいい国はたくさんあります。
ただしそんな国は運転手を雇うコストも安く、うまくバランスが取れているとも言えます。

フィリピンで運転ができる日本人は数少ないに違いありません。
バスが平気で割りこんできます。
隣を走っているクルマとの間隔が30センチほどしかないという状況は日常茶飯事です。
おまけにその合間を縫ってバイクが駆け抜けていきます。
そうかと思ったら、車道上でドライバー相手の物売りの人が歩いていたりします。
日本だとマンガでしか見ないような世界です。

フィリピンは長い間スペインの植民地でした。
スペイン時代に建てられた教会にも行ったのですが、建物の壮観さや調度品の豪華さを見ると、私の頭には「厳しい統治」とか「ひどい搾取」とかいった言葉が浮かびました。
展示されていた絵などを見ても、宣教師が植民地化への先兵ではなかったかという疑念は払えません。

秀吉がキリスト教を禁止したのは、大きな観点で見るならば正解だったのではないだろうかという印象をぬぐえませんでした。
歴史には表と裏があるし、どの立場でモノを言うかによって随分見方が違ってくるのは仕方がないことなのですね。
だから違う歴史観で論争をしても話がまとまるわけがないのです。

日本の不動産価格はバブル以降下がったと言っても、40年前よりは高くなっているはずです。
もしタイムマシンに乗って50年前に戻るとするなら、不動産投資で確実に儲けられるに違いありません。
発展途上国への投資は、そういった「タイムマシン効果」が十分に享受できるというわけです。

ただし投資する物件や地域や都市によって、大きなリスクがあるのも確かです。
立派な大規模マンション群建設計画があっても「じゃあ、電気(のインフラ)はどうするの?」の質問一つで、その計画の杜撰(ずさん)さが露呈するものも出てくるのです。