得意技を磨く

建築や運輸の現場では、団塊の世代が数多く活躍しています。
しかし6年後の東京オリンピックまでには、その多くが引退する可能性が高いのではないでしょうか。
そうすると労働力市場は今以上にひっ迫するリスクがあります。

ITの飛躍的進化によって、事務の世界はかなりの省力化が行われてきました。
現場の世界でも、省力化できるシステムや機械が、今後どしどし出て来るものと期待されます。
そうしないと仮に移民の導入となると、また新たな社会的問題が起こりそうです。

コインパーキング事業が当社の柱の一つなのですが、コインパーキングも一種のロボットと言えそうです。
もしこれが有人の回転式タワー駐車場であったなら、気軽にアチコチに設置していくわけにはいかなかっただろうと思います。
回転式駐車場は電気代の高騰や人手不足で“うま味”の少ない事業になってしまうのではないかと思います。

会社の中の事務作業は、ITソフトの導入で人手が以前の半分で済んでいるように思います。
もし今の人材で手に負えない仕事量になるとどうするかということですが、私は今の人材で間に合うところまで事業を縮小しようと思っています。
けっしてネガティブな気持ちで言っているのではなく、前向きの「未来志向」の考え方から導き出た考え方なのです。

新規顧客の獲得よりも、既存のお客様を断然大切にしていこうと思います。
リピーターへの分厚いサービスこそ、会社の使命だと思うのです。
今までそれが分からなかった故(ゆえ)に、戦略的なブレがあったり、スッキリしない「やり残し感」があったりしたのだと思います。

今まで取り組んできた事業自体を「選択と集中」の“ふるい”にかけようと思います。
選択した後に残ったものは「自社の得意技」に決まっています。
得意技以外で儲かるほど、経営は甘くありません。
そして得意技をガンガンに発揮していってこそ、中小企業は存在感を示すことが出来るようになるのだと思うのです。
自分たちが世の中に貢献できる得意技を、もっともっとシャープに磨き上げていこうと思うのです。