【会社繁栄「掃除道」 その28】

平成3年に鍵山秀三郎先生とのご縁をいただきました。
鍵山先生58歳、私が38歳でした。
それから数年間(たぶん10年近く)は寝ても覚めても鍵山先生のことを思わないことはありませんでした。
まるで恋人のようです。
毎週のようにハガキをお出しし、またご返事もいただいていたので、これもまた”まるで”ラブレターのようではありませんか。
鍵山秀三郎先生は、私にとって人生の師であり、経営の師でもあります。

私が出会ったころは、鍵山先生は「知る人ぞ知る」存在で、そんなに有名ではありませんでした。
しかしその後グングンと全国的にメジャーになられ、今では全国にシッカリとした掃除の組織ができ「掃除の会}世界大会が世界各地で開かれるようにもなっています。
師匠が「あれよあれよ」という間に世に認められ出し、自分はちっとも師についていくことが出来ず、うれしいような寂しいような気持でありました。

掃除の会は土・日に開催されることが多く、土・日曜が勤務日の私は、会社の掃除をほっぽり出して参加するわけにもいかず、それが私の「掃除の世界」での出世を妨げていた原因でもあります。
従って自分は自分の掃除道を歩むしかなく、自分の周辺をコツコツとキレイにしていく今のやり方を続けていくしかないな思っています。

鍵山秀三郎先生とお出会いしてから丸21年間、当然のことながら掃除はずっと続けてきました。
「10年偉大なり、20年畏(おそ)るべし、30年にして歴史なる」の言葉があります。
私は「畏るべし」の世界を過ぎ、「歴史なる」へ向かっているわけです。
掃除をやり続けていると、心境がさまざまに変化してきます。
掃除は自分の心をもキレイにしている側面があるので、工夫次第では心もどんどん磨かれていくわけです。