オーラが出ている掃除

朝の掃除はずっと社員だけでやってきたのですが、人手不足で最近は掃除の専門会社に手伝っていただいています。
とは言え、私自身の掃除範囲はあまり変わらないので、時間がいつも足りません。
掃除会社の社長は、学校の後輩でもあるOさん。
Oさんは防衛大学にも1年間在籍していたという変わり種なのです。

Oさんに掃除の依頼をすると、最初はOさんがまず一人で掃除をやり要領を会得。
そしてそのやり方をOさんの社員の人に伝授。
それをまたその社員が、パートの人に伝授。
今は伝授されたパートの人が、Oさんの掃除の仕方そのままに掃除をこなしてくれています。
余談ですが、そのパートの人を求人雑誌で募集したところ、20人以上の人から応募があったとのこと。

Oさんが掃除しているとき、それを観察していました。
Oさんが掃除しているというだけで、まわりの雰囲気が整ってくるから不思議です。
掃除の仕方にも一種のリズムがあり、そのリズムが波動を調和させているのですね。
「オーラが出ている掃除」というのを始めて見ました。
私も20年間鍵山流掃除を続けてきて、その間に二度ほど「掃除している姿からオーラが出ている」と人から言われたことがありますが、その時は余程心が調和していたのでしょう。

「掃除をすると謙虚になり、心が穏やかになる」と鍵山秀三郎先生はおっしゃいますが、私など本当にまだまだです(謙虚で言っているのではありません)。
しかしながら掃除の心境が年々変化していくのは事実です。
会社の社長が掃除を始めると、最初の3年ぐらいは社員の誰も手伝わず「俺が掃除をしているのに、社員はどうして掃除しないのだ」という気持ちが出てきます。
いわば掃除の魔境。

それが過ぎると「今日もこうして健康で掃除が出来る。こんな有難いことがあろうか」という心境になり、もう少し進むと「掃除によって世の中の荒(すさ)みを取り除こう」や「日本をよくするために掃除をしよう」になります。
今の心境は「今までいろんな人に迷惑をかけてきた。掃除によって少しでも償(つぐな)っていきたい」。

「10年偉大なり、20年畏(おそ)るべし、30年にして歴史なる」の言葉がありますが、私の掃除ももうすぐ「畏るべし」の世界に入ります。
当然30年の「歴史なる」にも到達したいと思っていますが、実はまだ「50年神のごとし」という続きがあるのです。
鍵山秀三郎先生の掃除はすでに50年以上。
神とは言わぬまでも、菩薩の境地に近いものを会得されているのは間違いありません。