勉強怠るべからず

確か岸信介さんだと思うのですが、晩年のモットーが「転ぶな、カゼひくな、義理を欠け」でした。
老年になってから転んで骨でも折ると、急激に老化が進みます。
またカゼは万病のもと。
「冷え」を体の中に取り込んではいけないのです。
「義理を欠け」は、いちいちすべての冠婚葬祭などに付き合っていては、時間も体力も“とてもじゃない”が足らなくなるということ。
渡部昇一先生は80歳を超えて今なお著書を世に出し続けておられますが、やはり「時間との闘い」との気持ちを強くお持ちのようです。

長谷川慶太郎さんは「経営者はとにかく勉強しなければ時代についていけない」と、口を酸っぱくして仰っています。
長谷川慶太郎さんは渡部昇一先生よりも、まだ3歳も年上なのですが、その分析力や情報力には、いつも舌を巻かされます。
私の今後の人生スタイルの目標でもあります。
勉強するには時間がいる。
そのためにも「麻雀、ゴルフ、カラオケはおやめなさい」ということなのです。

麻雀、カラオケは、サラリーマンには必須事項ですが、経営者には不要かもしれません。
また知的作業する人にとっては明らかに障害。
私のまわりを見ても、本を書く人でゴルフをする人はいません。
1日使ってしまうゴルフをしていては、本を書く時間が取れないのは当然でもあります。
馬力があって、たまたま時代の波に乗ると、勉強しなくても随分と商売が繁盛することがあります。
しかし勉強を怠っていると、その繁栄が続かないのです。

自分のビジネスのことでプロになるのは当然ですが、時代の大きな流れを把握する眼を持つことは極めて大切だと思うのです。
昭和末期のバブルとその崩壊の時につくづく思ったのですが、マクロ経済の動きが分かっておれば「バスに乗り遅れるな」とばかりにバブルに舞い上がることもなく、またバブル崩壊に対しても先にシッカリと手が打てておれただろうということです。
単に「やり手」とか「商売がうまい」だけではダメなのですね。
長い繁栄を得るには、大局観がどうしても必要なのだと思うのです。