「決断」と「断る勇気」

人生でも経営でも「ここ一番」の決断時があります。
スパッと決断できればいいのですが、ウダウダと時間ばかりを浪費してしまうこともよくあります。
普段から決断力を鍛えていないと「ここ一番」に対応しがたいのです。

特に組織のトップは決断の連続と言ってもいいかもしれません。
戦争や大災害の時など、トップの判断いかんによって国民や国家の命運すら決まる場合があるわけで、こんな時のトップは実に大変だと思います。

私はたぶん決断は早い方で、たいていのことなら30秒以内に結論を出します。
10年に1回ほど大きな課題にぶつかりますが、そんな時は2週間ほども朝から晩まで、そのことばかりを考え続けることがあります。
最近では1階店舗から2階オフィスへの移動がそれに当たります。

小さな決断は経験や知識が役に立ちますが、大きな問題になると、トップの宗教観や人生観が問われます。
自分自身の原理原則を持っているかどうかで、決断の速さや的確さが決まります。
どうしても自分自身で判断がつかない場合は、神様に委ねるしか方法はありません。

小さな自己の殻を破り、欲得を捨て去り、神様の前で虚心坦懐になるのが一番。
決断には3つしか種類がないのです。
「やる」と「やらない」と「今はやらない」の3つ。
ある意味では実にシンプル。
一番いけないのは決断しないこと。
決断して、もしそれが間違っていたら修正すればいいのです。

最近は「断る勇気」が決断と同じぐらい大事だと思うようになりました。
人から頼まれ、それを断るのは勇気がいります。
義理や見栄など、さまざまな要因が絡み合っているからです。
しかし「断る勇気」はとても大切。
会社を潰す人は「お人よし」(「人がいい」と「人柄がいい」とは違います)と「見栄っ張り」が多いのですが、やはり両方とも、基本的に「断る勇気」が欠けていると言えるのではないでしょうか。