中国経済を見る その1

成都という中国の内陸部の都市があります。
人口が約9,000万人で、人口だけで見ると、一つの国といってもいいぐらいの大都市です。
そこの土地の平均単価が、坪あたり約25万円(中国では坪ではなく?が単位のようですが)。
宝塚近郊でも、少し不便だと坪25万円の土地はザラにあります。

成都の平均月収が約3万円。
日本では月収3万円では食べていけません。
成都の月収は日本の10分の1ぐらいとみていいでしょう。
ということは土地の値段が収入と比べ、ムチャクチャ高いということでもあります。

北京の70?程のマンションが6,000万円もするのです。
北京の大学教授の月収が月1万元。
つまり13万円ぐらい。
大学教授は一般の人たちよりずっと良い収入なのですが、13万円の給料の人は逆立ちしても6,000万円のマンションは買えません。

いま中国は失業者も多いのですが、普通に働いている人でも物価が急上昇し、生活が苦しくなっています。
というより、どうやって生活しているのか不思議なぐらいなのです。
救いは、水道や電気が政府の管轄下にあるため、値上がりしていないことです。

中国では工場の労働者が人手不足で「引く手あまた」という記事があったり、あるいは失業者が多くて問題が出ているという記事があったりで、本当のところはいったいどうなのかと疑問に思っていました。
実際のところは、不足しているのは「高級人材」と「現場労働者」で、余っているのは中途半端な人材(例えば技術や経験のない大卒)なのだそうです。

中国人も豊かになるにつれ、いわゆる3Kの職場は倦厭(けんえん)されるようになってきたようです。
今までは内陸部から沿岸部の工場にいくらでも人が押し寄せ、それが圧力となり、賃金が上がりませんでした。
しかし最近は楽でない仕事や、低賃金の仕事には人が集まらなくなったのです。
苦労が多い嫌な仕事には見向きもせず、楽で高収入の仕事を探しているために失業中の人も多いわけです。