「いい会社」の条件

会社経営の目標、特に財務的な目標はキャッシュポジションを高めることに尽きるのではないかと、最近思うようになりました。
特にデフレの時代は、借入れは明らかに不利です。
デフレ時は物価自体が下がっていくため、キャッシュは持っているだけで価値が上がっていくのですが、借入れの場合は反対に返済の負担が増えるわけです。

高いキャッシュポジションは「いい会社」を維持していくための必要不可欠な要素だと思います。
私が思う「いい会社」の条件は3つあり、一つは「支払いがいい会社」。
早い話、支払いがいい会社だと安心してお付き合いが出来ます。
財務的にも安心だし、経営姿勢もビシッとしている印象があるのではないでしょうか。
会社のランク付けは、支払いがいいか悪いかだけで評価しても、大きな間違いはないのでないかとすら思うぐらいです。

次の「いい会社」の条件は「社員が社長を尊敬している会社」。
社長は仕事が出来るのは当たり前の話ですが、「できた」人間でもあってほしいわけです。
尊敬する人がトップにいる会社の社員は幸せです。
「社員が社長を尊敬している」のは、会社格付けではほとんど無視される要素ですが、極めて大切なポイントではないかと思うのです。
社長というのは、外向きの顔と内向きの顔が違うことが少なくないのですが、ぜひぜひ尊敬される社長でありたいものです。

「いい会社」の最後の条件は「掃除が行きとどいている」こと。
会社で働いている人の心が荒(すさ)むと、必ず会社の状態も、文字通り「目に見えて」荒んできます。
特に製造業などは「整理・整頓・清掃・清潔」は基本中の基本です。
「整理・整頓・清掃・清潔」が出来なくて、いい製品が出来るわけがありません。

逆に目に見える「形」を整えると「心」まで整ってくるから不思議です。
「形」と「心」とは表裏一体。
従ってどちらかを整えると、もう一方も必ずキチンとなります。
心を整えるためには、昔からいろいろな修行の方法があるわけですが、それらはなかなか大変。
形を整える方から入っていく方がずっと簡単なのです。