キャッシュポジションを高める

普段からキャッシュポジションを高める努力は経営の基本なのかもしれません。
「ゲンキン」は「ゲンキ」につながるのだと思います。
実際、現金さえあれば会社は元気です。
松下幸之助の「ダム経営」はいざという時のために、普段からダムに水をためておく(すなわちキャッシュポジションを高めておく)ということです。

松下幸之助がこのダム経営の話を講演会でしたところ、あとで「ダム経営の大切さは分かるけれど、とてもそうするための余裕がない。どうすればダム経営が出来るのか?」との質問がありました。
松下幸之助の答は「(ダム経営をしようと)思うことですなぁ」。
この答えに場内から失笑があったそうなのですが「そうか、まず思うことが大事なのだ」と合点(がてん)がいった人がいました。
それが稲盛和夫さんだったとのことです。

キャッシュポジションを高めることが、会社の基本であり、ひょっとしたら目標であるとしたら、それこそ合点がいくことがたくさんあります。
本業に関係のないムダな不動産を購入しないというのは、その最たるものです。
また過剰在庫をしないというのも、キャッシュを寝かさないための方法。
売掛金の素早い回収というのも、キャッシュを手元に集めておくためには必要です。
コストダウンだってキャッシュが社外へ漏れていかないための工夫でもあるわけです。

業種によって違うので、一概に「いい・悪い」の判断は出来ないのですが、当社の場合、交際費はゼロです。
ついでに借入れもゼロ(長い道のりでした)。
従って支払金利もありません。
キャッシュポジションを高める心がけを普段からしていないと、気持ちにスキが生まれてきます。
特に「見栄」のためにキャッシュを使い出すとイエローカード
何かの拍子でレッドカードに変わり「退場」という事態も考えられます。