経営の気づき

「キャッシュポジションを高めることは、経営の基本であり、目標でもある」はこのブログを書いていて気がついたことです。
会社業務を普通に遂行している間はピンとこないのですが、何かあった時に高いキャッシュポジションは大きな威力を発揮します。
「まさか」のピンチにも、「これは!」というチャンスにも、高いキャッシュポジションはどうしても必要なのです。

「まさか」の時でも、十分なキャッシュが手元にあるのとないのとでは大違い。
あれば「まさか」が致命傷にならずに済みます。
「これは!」というチャンスでも、キャッシュがあればすぐに対応できます。
不動産業だと、探し求めていた条件の物件が突如、市場に出てくることがあります。
十分なキャッシュがあると実に決断しやすいのです。
失敗した時のことを考えると、多額の借入れで資金を賄(まかな)うのは危険だからです。

もう一つ、以前にブログを書いていて気がついたことは「事業は我慢なり」。
この我慢の意味は、個人的な「忍耐・努力」といった類(たぐい)のものではなく、自社のコンセプトから外れた事業には手を出さないということです。
コンセプトを考える時、やはり自社に一番ぴったりしたものを選ぶはずです。
自社の最も得意な分野をコンセプトに組み入れるはずだし、社風から大きく外れたものをコンセプトにするはずもありません。

だからコンセプト外のことをしようとすると、歪(ゆが)みが生じるのです。
傍目(はため)で見ていて儲かりそうなことは、すぐに真似てみたくなるものです。
しかしそれがコンセプト外のものなら、手を出すべきではないのです。
その我慢がとても大切。

事業がうまく回転し出しだすと、人を増やしたくなります。
あるいは新しい設備投資をしたくもなります。
しかしその忙しさが一時的なものかどうかをしっかりと見極めなければ、売上が急減した時にその負担に耐えられなくなります。
人を増やしたいけれど増やさない我慢。
設備投資をしたいけれどしない我慢。
ここでも我慢が問われるのです。
むろん熟慮の末「打って出よう」と決断した時は別です。
でも散々迷って「やめておこう」の場合はやっぱり我慢。

不況の時は体調を整え、会社の体調も整え、飛び込んでくるチャンスに備えるべきなのかもしれません。
高いキャッシュポジションは不断の努力。
急にはムリなのです。
「高いキャッシュポジション」を目指し「事業は我慢なり」を旨とし、時代に合わせて自社を変化させ、上手くこの時代を生き残っていきたいと思うのです。