不動産の相性と運気

「不動産との相性」というのがあります。
分不相応な豪華本社ビルを建てると会社が傾くというのは、ほとんど法則のようなものですが、これなども実力と不動産との「相性不一致」の一例かもしれません。
収益不動産でも利回りにこだわって「ボロ物件」ばかりを集める人がいます。
あとあと補修費用がかかって、かえって高くつくような気がするのですが、その人にとってはボロ物件の方が、ピカピカ物件よりも相性がいいのかもしれません。

不動産取引での登場人物も重要な要素です。
私の知っている仲介業のトップセールスマンが言っていました。
「ややこしい売主から“ややこしい”物件を、ややこしい業者から購入しようものなら、その後3カ月間は“ややこしさ”のため仕事にならない」。
欲があるとついつい“ややこしさ”を招き寄せてしまうのだと思います。

不動産にも運気があるのです。
いくら安くても運気のない物件を購入すると、自分の運気まで削がれてしまいます。
運のいい人生にするためには「いい運」の人とお付き合いするのは、とても大事なことですが、運の良さは人だけでなく、不動産にも当てはまると思うのです。
以前バブルの頃に東京で小さなマンションを買い、賃貸に回していたことがありました。
今から思えば、ひじょうに運気の悪いマンションでした。
例えばオフィスとして使っていた会社が不振で出て行ったり、入居者が何度も入れ替わったりと、具合が悪いことが多かったのです。

所有していた私も、バブル崩壊があったこともあり、その間ずっと仕事的には絶不調でした。
相当多額の金額を損切りし、そのマンションを売却しました。
するとスーッと身が軽くなり、また運気が上昇した経験があります。
運気の悪い人や不動産とは付き合わないことが肝要です。
松下幸之助が人を採用する時に必ず聞いた質問が「あなたは運がいいですか?」。
松下幸之助のような傑出した経営者にしてそうなのです。
ましてや凡経営者にとって、運気が悪くならないように気をつけることは、とても大切なことだと思うのです。