最近考えること その5

JTBが国内200店舗(既存店舗の2割)を2011年末までに閉鎖し、インターネットでの販売に移行させるという新聞記事を見ました。
インターネットでの取り扱いが増えれば、賃料や人件費のかかる店舗販売の必要がなくなります。
不動産の世界でも「マンスリーマンション」や「シェアハウス」や「バイクパーキング」の集客は、もう既に100%インターネット。
「賃貸」や「売買」だって、かなりのスピードで、ネット集客の方向に向かっています。
売上が下がっているのは、市況の悪化だけでなく、今までのやり方が時代にそぐわなくなってきているからかもしれません。
ならば早く時代に合った販売方法に変えていくべきなのです。

ネットで物件を公開する場合「業物(ぎょうぶつ・専門用語です)」だと、契約済みなのにまだ掲載しているといった問題が起こりがちです。
そうなるとネット来店者の信頼をいっぺんに失ってしまいます。
従ってネット掲載は出来るだけ専任物件や管理物件や自社所有物件がいいわけです。
つまりネットに力を入れるなら、賃貸物件でも売買物件でも、自社での仕入れ(受託)を増やす努力をしなければいけないということになります。
今まで不動産の営業と言えば「客付け」のイメージがありますが、今後は受託がメインになるはずです。
客付け業務はネットが勝手にやってくれるというわけです。
いずれにせよ「直物件(ちょくぶっけん・専門用語です)」の受託や仕入れが、今後の不動産営業のカギとなることだけは、間違いがありません。

不動産業における広告は、これからは3つに絞られると思うのです。
「ネット」と「現地看板」と「手まきチラシ」です。
手まきチラシと並行して、ごく狭域の新聞折込みは有効かもしれません。
いずれもそんなに経費はかからないはずです。
かつてのように一度に何万枚も新聞折込みをする方法は「費用対効用」からみて、そんなに賢いやり方とは言えなくなってきました。

「現地看板」は究極のアナログですが、意外に力を発揮します。
また営業エリアの中にある看板の数で、不動産会社の実力を推し量ることも、ある程度可能だとも言えます。
もっと言えば、看板が汚れていてはダメなのです。
ましてや看板が歪(ゆが)んで取り付けられているなんて話になりません。
取り付けた社員の心の歪みがそのまま反映されているのです。

手まきチラシは「お知らせ」の発信として捉(とら)えるのがいいのかもしれません。
手まきチラシをやり過ぎると、撒(ま)く方も受け取る方も飽きてきます。
チラシがいつのまにか「チラカシ」になったり「ゴミ」になったりしてしまうのです。
手まきチラシには「気持ち」や「心」がこもっていなければ意味がないと思うのです。
チラシが煩わしくなってきたなら、もう一度原点に戻るべきではないでしょうか。