不動産経営を考える その7

不動産業の場合、手形取引はゼロ。
売掛金もないはずです。
従って苦境に陥っても、案外しぶとく頑張れるのです。
30年間ほど会社経営をやりながら、じっと周りを観察していると、やはり借入れの多い会社は潰れる確率が高いですね。
実に当たり前のことなのですが、当たり前には行われていません。
借入金があるのに、一方で高級車やゴルフ会員権やリゾート会員権を買ったり、派手な生活をしたりしている人がいますが、倒産予備軍の筆頭だと思います。

自社のみの繁栄を願うのではなく、共存共栄を。
不動産業は地域を離れては成り立ちません。
ならば自社だけでなく、地域とともに発展を。
地域をも繁栄させる努力や工夫をしないとウソだと思うのです。
年とともにこういったことが分かり出して来るから面白いですね。
真の大人としての考え方が出来る時を成人式とするならば、私の場合、成人式は20歳ではなく50歳です。

居住系ではなく、非居住系に営業主体を変化させてみるのも一つの手です。
競争の激しい居住系でいつまでも悪戦苦闘していないで、少し目先を変えてみたらどうでしょうか。
同じ居住系でも、東京などではマンスリーマンションやシェアハウスの割合が急増しています。
またアパートやマンションではなく、戸建の賃貸物件は人気があります。
魚のいない場所で釣りをしたり、逆に競合する釣り手が多いところで、いくら頑張ったりしても成果は少ないのです。
魚場を変えることも必要なのだと思います。
デフレの時代は「根性」よりも「智恵」なのです。