『任天堂』(井上理・日本経済新聞出版社・1,700円)

ニンテンドDSの『英語漬け』というソフトで、主にディクテーションの勉強をしています。
勉強とは言え、強制感はゼロ。
完全にゲーム感覚です。
今まで単にゲーム機だと思い、触りもしなかったのですが、学習機となると私のような中高年男性にとっても、途端に「超スグレもの」となります。

任天堂自体は元々が「花札」屋。
任天堂を世界のニンテンドにした山内前社長は3代目。
出来あがった製品は手にはするものの、自分では絶対に遊ばないのだそうです。
なのに「これは売れる」「これは売れない」の直感力は物凄いものがあるとのこと。
このへんはちょっと松下幸之助を彷彿とさせるところがあります。

世界中で大ヒットした「スーパーマリオ」は、最初はポパイを主人公にしたゲームの予定だったそうです。
しかしながら版権の関係でポパイは使えず、そのかわりマリオというキャラクターを作りました。
そのマリオも当初は名前がなく、製作スタッフの間では「おっさん」と呼ばれていたのですが、アメリカの子会社のスタッフに見せたところ、キャラクターに非常によく似た人物がおり、その名がマリオだったのだそうです。
マリオ氏も世界的な有名人になり、鼻高々ではないでしょうか。

任天堂は社員一人あたりの利益額が1億円ほど。
こんな会社、ほかにあるでしょうか?
今でこそゲーム機メーカーとして特化している任天堂も、かつてはタクシー会社や食品会社などを経営していたことがあるそうです。
負債を抱えて倒産寸前の体験も。
会社というのは大化け(おおばけ)の可能性があるのですね。