世界経済の動きを考える

世界金融危機で混乱が続いています。
前回バブル崩壊では大変な目に合ったのですが、今回は余裕を持って冷静な目で世界経済を眺めることができます。
歴史的な瞬間にいるかもしれないと思うと、実はワクワクしているのです。
約30年間会社経営をしてきた自分の経験と、今の状況を重ね合わせ「次はどうなるのか」を推測する知的ゲームのような感じすらしています。

いま株を持っている人は、たぶん全員損失を出していると思います(むろん私も含めて)。
しかし今売るから損を出すのであって、将来の株高の時に売れば、十分な利益を出す可能性だってあります。
ただ心理的な影響は大きいでしょう。
逆資産効果」です。

「株安」はともかく、政治家やマスコミなどでも「円高」を厄介者扱いする人がいますが、これはどう考えても間違っているように思います。
円高国益にプラスだし、日本人一人一人がそれだけ金持ちになっていくわけです。
どの通貨に資金移動しようかと必死になって考えなくても、日本で普通に生活していながら、勝手に外国からの購入力が上がり、豊かになっていくわけですから、こんなにありがたい話はそうそうあるものではありません。

お隣の韓国ではウォンも株も両方下がっているのですが、これこそ本当の危機。
ウォンは円に比べ、今までの半分の値打ちになりました。
韓国ではサムソンや現代グループが突出した存在で、これらの企業の輸出力にますます期待がかかるでしょう。
ただ今までのような過激な労働運動が韓国企業で頻繁に行われるようだと、韓国経済の危機の度合いが相当深まりそうです。

日本の輸出依存度は意外に少なく15%。
これがドイツだと40〜50%。
今までのようなユーロ高でも、世界の景気がよかったのでベンツやBMWはよく売れていました。
高級車は価格の高い安いよりも、景気に大きく影響を受けます。
今回のように株や不動産が下がると、富裕層が買い控えをするわけで、ドイツ経済も腰を据えてこの危機を乗り超えていかねばなりません。
EUを牽引するドイツ経済が失速するようだとヨーロッパはかなり苦しくなります。

世界のおカネにとっては、日本が今一番安心できる場所だと思います。
お尻に火がついた外資が、取りあえず資金を本国に戻したための株安だと思うのですが、
日本企業の足腰はそんなに弱くはありません。
前回のバブル崩壊以降、各企業とも必死なって体質を改善し、体力を向上させてきました(そうでない企業は潰れているはずです)。
いずれ世界のおカネは日本を目指してやってくるに違いないと睨んでいます。

今回の世界金融危機を研究していて、ふと自分のまわりには、こういったことを話す相手が全然いないことに気が付きました。
当面「的確なアンテナ」を持った人を、本の著者の中から探していくのと並行しながら、「相談相手募集」も行っていきたいと思っています。