見かけよりも景気が悪い?

コインパーキング会社の営業所長のお話。
「郊外のコインパーキングはそうでもないけれど、繁華街のコインパーキングの売上げがかなり下がっている」。
また「自走式の立体駐車場は、鋼材の価格の値上がりで、作っても採算が合わなくなった」とも。

繁華街云々(うんぬん)の話から考えられるのは、景気が見かけよりもずっと悪化しているのかもしれないということ。
世界に目を向けても、アメリカの景気はサブプライム以降、目に見えて悪くなっています。
大消費国アメリカがモノを買わなくなったら、輸出国の中国が困ります。
そうすると中国特需で潤っていた日本経済にも大きな影響が出てくるわけです。

ここ10数年、活況を呈していたイギリス経済も、ここに来てかつての日本のバブル崩壊のような様相を呈してきました。
特にイギリスは金融が突出して勢いがあったので、その反動も相当大きいのではないかと思います。
ドイツのように世界に通用するベンツやBMWのような商品があるわけではありません。
世界からおカネを集め、それを運用していく業態は、一度動きが反対の方に回りだすと、手の打ちようがないのです。

サブプライムだって、アメリカの景気が悪化すると、ローンの滞納がもっと増えていくのは目に見えています。
ならばそれらが組み込まれた債権の損失はもっと増えるはず。
あるいは不動産の価格がどんどん下がっていき、債権額の回収がますますしにくくなることも考えられます。
だからサブプライムの損失が100兆円だと腹をくくり「損切り」したはずなのに、そこからまだ損失が出てくるといった事態が十分考えられるのです。

日本のマスコミではあまり出てこないので不思議なのですが、上海の株式市場の価格が半分になっています。
誰もがオリンピックが過ぎるとマズイと思っていたのですが、オリンピックの前にガタガタと崩れています。
中国はマンションブーム(というよりマンション投資ブーム)だったのですが、中国のマンションはどう考えても最初から高すぎました。
はじめからバブルが乗っかかっているような値段。
マンション市場が一大賭博場化していたようなものです。

もう一つの問題が原油を含めた原材料の高騰。
金属の中では鉄が一番値上がりしているそうです。
この原因はひと言で言えば中国の需要増大。
食料も値上がり状態が続き、例えばフィリピンなどの発展途上国では社会問題になっているとの新聞記事を読みました。
バングラディッシュでも食料品が8割の値上げ。
株がいくら値上がりしても誰も迷惑を受けないのですが、食料になると話は全然別物になります。

一方で不景気。
一方で消耗品や製品価格の上昇。
企業も生活者も困るわけです。
スタグフレーションという言葉を30年ぶりに引っ張り出すことになりそうです。
スタグフレーションとは、スタグネーションとインフレーションの合成語。
即ち「不況下の物価高」。

経営者としては会社を潰すわけにはいきません。
当社の方針や打つ手を思いつくままに書いてみます。
まずは今の事業をキチンと遂行していくこと。
特に賃貸管理をスムーズに運営していくことが重要だと考えています。
新規事業は一切考えず、むしろカットしていく方向へ。
あえて新規事業と言うならば、コインパーキングをポツリポツリと増やしていくことが、それに当たります。

当社は創業以来、大体3勝7敗か、2勝8敗ぐらいのペースで来ています。
それでも潰れていません。
無借金でもあります。
交際費もゼロです。
耐え忍ぶことには慣れているのです。

やるべきことはコストダウン。
ここ7,8年で月次の損益分岐点が半分になりました。
損益分岐点が低いと、経営がものすごく楽です。
ムリな仕事や嫌な仕事をしなくてすみます。
本来の企業使命に戻ることが出来ます。
当社の目指す姿は「超優秀なワクワク家内企業」。
「なくてはならない会社」にもなりたいですね。
まわりをキョロキョロせずに、当社にしか出来ないことは何かを、今こそ追及していこうと考えています。