コインパーキングの話

コインパーキングというのは“地べた”が必要です。
コインパーキングに適した土地というのは、そう多くなく、都心部ではコインパーキング運営会社が適地の借り上げ競争をしています。
高く土地を借りると“なかなか”利益が出ないのは、どんな業種でも一緒で、過度の競争は自分で自分の首を絞めているのと同じです。

当社のビジネスモデルは「自分たちが管理できる範囲で、土地から購入」。
土地は借り上げではなく買取りです。
この時のリスクは、やってみてコインパーキングとして成り立たない場合、借上げとは違い、すぐには撤退できないことです。
従って最悪のケースは、土地の売却も想定しておかなければいけません。
「高値買い」、もしくは売却時の地価相場の値崩れが、最もリスキーな面となります。

コインパーキングはやってみないと分からないところがあります。
やってみて万一ダメな場合、整地費用や機械の設置費用分は目をつぶるとして、土地の取得原価ぐらいは取り戻したいものです。
仲介手数料や登録免許税や不動産取得税などが、最初の価格にオンされているので、購入価格よりも5%ぐらい高く売れないと損が出ます。
ただし相場はその時によって上下するので、売却時に譲渡益が出るか譲渡損が出るかは、運にもよります。

土地の形状が悪くても、コインパーキングとしては立派に成り立つところもあり、そういった土地は相場よりも安いので、コインパーキング用地としては「お買い得」になります。
ただし、やってみて予想をはるかに下回り、売却した方がいい場合でも、逆にそういった土地は流動性が悪く、なかなか処分できません。
その土地を買うか買わないかは、個々に決断していくしか方法はありません。

コインパーキング運営会社の「パーク24」の場合、駐車台数は圧倒的NO.1なのですが、駐車場の数で言えば「日本システムバンク」がNO.1なのです。
これは何を意味するかと言えば、パーク24は大型駐車場を確保しており、日本システムバンクは小型駐車場の数が多いということです。
当社の場合は、戦略的にも実際的にも「小型駐車場方式」になると思います。

コインパーキングに向いた大きな土地が売りに出されることは滅多になく、出たとしてもマンションや店舗や建売での購入希望者と競合する確率が高くなります。
また買取りの場合、資金的にも上限があるので、あまり大きな土地の購入はできません。
たぶん5台ぐらいまでのコインパーキング用地の購入が、一番可能性が高いのではないでしょうか。
また小さなコインパーキングの場合、まわりの環境が変わっても、影響を受ける割合が比較的小さいというメリットもあります。

コインパーキングの場合、すぐ近くにライバルが登場というケースが少なくありません。
料金競争は出来るだけ避けたいと思っているのですが、やむを得ず下げざるを得ない時があります。
この場合でも土地買取りであれば、料金設定にかなりの柔軟性が出てきます。
集金額の減少や投資利回りの低下さえ我慢すれば、何とか運営はしていけます(借入れ金利を下回る収入だと具合が悪いのですが)。
これが土地借上げだと、明らかに毎月赤字が出たりするわけですから、のんびり構えてはおれません。
月ぎめ駐車場でも、固定資産税も出ないようなケースは少なく、ましてやコインパーキングですから、収入はもう少しマシ。
収入の少なさに目をつぶりさえすれば、そのまま売却もせず、維持していてもいいわけです(何度も言いますが、借入れ金利よりも少なくなると維持は難しくなります)。

駅前以外の立地で、どういう場所にコインパーキングが成り立つのかのノウハウが、まだ確立していません。
これを見極めたいと努力している最中です。
設定料金もかなり売上げに影響します。
思い切って料金を下げたところ、満車状態が続き、かえって売上げが増えることもあります。
どういう立地にコインパーキングが可能で、どういう料金設定をやるのがいいのかを、早くマスターしていきたいと考えています。
慎重に、しかし確実に、コインパーキングを一つずつ増やしていくつもりです。