累積事業のコインパーキング

コインパーキングも「累積事業」の一つですが、その仕入れについて考えてみます。
不動産流通市場において「貸地」情報は極めて少ないので、土地を借上げてコインパーキングを運営していく場合は、どうしても営業のマンパワーが必要になります。
逆に土地を買い上げてコインパーキングにする場合は、流通市場から適地を見つけ購入すればいいので、営業マンは必要ありません。
この場合はコインパーキングとしていけるかどうかの目利きは無論のこと、万一コインパーキングとしてダメな場合、すぐに処分できる土地であるのかどうかの「目利き力」も問われます。

コインパーキングの最大のリスクは、近所にライバルが登場することです。
優秀なコンビニでも近くにライバルが出来たら、売上があっさり3割減少するなんてことは日常茶飯事のようです。
ひどい時は廃店へと追い込まれる場合もあります。
土地借上げ方式のコインパーキングの場合、売上が極度に下がった時は、オーナーへの賃料交渉のやり直しや、いよいよとなれば閉鎖するという手段があります。
しかし土地買い上げ方式の場合だと、閉鎖しても土地が残ってしまうのです。
そんな時にさっと売却可能な土地でなければならないわけです。

「土地所有型」コインパーキングの場合は、業務のすべてをアウトソーシング出来るので、極端な話、社員ゼロでも運営できてしまいます。
コインパーキングは一種のロボット。
またメインテナンスは専門会社があります。
新しいコインパーキングのオープンは、新規の営業拠点の開設と同じで、ひじょうに楽しいものがあります。
ついホイホイと増やしてしまいがちなのですが、資金繰りとの兼ね合いを忘れずに、慎重に土地の購入を行わなければと思っています。

土地借上げ型コインパーキングだと、オーナーとの接触が加わるので、その点だけでも、どうしても人手が必要になります。
また地代を支払わなければいけないので、売上状況によっては赤字のところが出てきます。
この交渉にも営業マンが必要です。
営業マンは「土地を貸してもらえませんか」の最初の呼びかけも、オープン後の「地代を下げてもらえませんか」の声かけも、両方しないといけないので大変です。

私は自分の性格から言っても「土地所有型」の方が向いているように思います。
また集金ぐらいは自分で行う方が、コインパーキングでの不具合を発見しやすいわけです。
集金ができる範囲でコインパーキング用地を探そうとすると、自ずとエリアが絞られます。
そのエリアの中でコインパーキング適地を選んでいくとなると、そうそう“いい物件”は出てくるものではありません。
年に一つ出てくるかどうか。
ただそれぐらいの方が、資金繰り的にはバランスがとれて、ちょうどいいような気がします。
つまり「土地所有型」コインパーキングの場合は、息長い事業感覚が必要で、じっくりと事業を育てていく姿勢が大切なのだと思います。