「目立たずに儲ける」

村上世彰さん(元・村上ファンド)の『生涯投資家』という本を読みました。
この本の中で一番印象に残ったのが「経営者(事業家)と投資家は別物で、それぞれ求められる資質が違う」ということです。
私はこの言葉を勝手にいいように解釈し、自分は経営者としてはイマイチだったが、投資家としては“ひょっとしたら”才能があるかもしれないと思い込むことにしました。

村上世彰さんはインサイダー取引の罪で実刑判決まで受けているのですが、ホントの罪名は「目立ちすぎてウザイ(ウ・有/ザイ・罪)」だと思うのです。
このへんはホリエモンも同じで、やっぱり「目立ちすぎてウザイ」であって、逮捕されるほどの悪いことをやったのかどうかは評価の分かれるところです。

2人ともアンチ・エスタブリッシュメントという感じで、体制内の人間からすれば気に入らない存在であったことは間違いがありません。
2人ともとても頭のいい人たちなのですが、逮捕されるところまで自分たちを追い込んでしまうというのは、逆に「地頭(じあたま)」が悪かったのかもしれません。

いずれにせよ「有名税」というのが、多かれ少なかれかかってくるわけで、私など如何(いか)に有名にならないかを常に心掛けています。
「有名になりたい」というのと自己顕示欲とは“ほぼ”重なっており、そんな余計なものを背負っていては、シンプルライフになりようがないのです。

どんなに優れた人間であっても、神さまの前に出れば赤子同然で、少々の才能や努力で自惚(うぬぼ)れるわけにはいかないのです。
日々、淡々と「やるべきこと」を(楽しみながら)やっていくのがシンプルライフの真骨頂であり、目立ちたいという欲求がある間は、人間としては“まだまだ”だと思います。

アメリカでは寄付やボランティアが盛んですが、これはある意味「訴訟社会」のアメリカで生きていく知恵だと喝破した人がいます。
すなわち、普段から社会貢献に携わっていたら、いざというときに救われる(訴訟されない)確率が高くなるからです。

村上世彰さんの本を読んで、投資というのを“もっともっと”本気で取り組んでいかなければいけないと思いました。
私は今のところ、投資を研究する時間がほとんど取れていません。
個人投資家の本を読んでいると「勉強量と成功量(すなわち儲け)」は正比例しているように感じます。

大抵の人は最初は株式投資に大失敗するのですが、勉強しだしてから勝てるようになったという人が、本を読んでいるととても多いのです。
投資で儲けた話を書くのは、いかにも軽薄という感じがするのですが、個人投資家としての成功体験談を(匿名で)本や雑誌で書く時のために、既に「ペンネーム」まで考えています。
あとは大儲けするだけの話なのですが、さてどうなるのでしょうか?