神宮参拝

毎月丸2日間かけて伊勢神宮への参拝を行っているのですが、インスピレーションをいただく時もあるし、全然いただけない時もあります。
むしろ後者の方が多いと思います。
今回は外宮での御垣内参拝の途中、感謝で胸がいっぱいになりました。
こういうのは残念ながら口では説明できません。

伊勢神宮には「式年遷宮」という儀式があり、20年に1度、建物を始め、宝物や衣装などすべてを作り変えるのです。
これが1,300年間続いているわけで、決して半端な儀式ではありません。
この式年遷宮の根本に流れているのが「常若(とこわか)」の思想です。

西洋の神殿のように石で頑丈な建物を作るのではなく、伊勢神宮の神殿は木で造られていますが、20年に一度作りかえることにより、その建物に永久の命を吹き込むわけです。

日本人の生活にもそんな気風がありました。
昔は正月3が日というのは、すべての商店が閉まり、日本中が「のんびり」感に包まれていました。
みそかと元旦とでは、わずか1日違うだけなのに、そこには厳然とした大きな山があり、旧年中に禊ぎ(みそぎ)をし、また「新しい自分」となって新年から気持ち新たに再出発しようといった感じがありました。
例えば散髪屋さんなどは、大みそかに大混雑していましたが、これも気持ちよく新年を迎えたいという気持ちの表れだったのでしょう。
この感覚は神道から来ているのではないかと思うのです。

今回の伊勢参拝は2日とも雨でした。
しかし雨の参拝も中々いいですね。
雨によって悪いものや邪念が洗い清められる気がします。
2日目は早朝にお参りするのですが、雨のせいか人も少なく、外宮の多賀宮では「独り占め」の時間が20分以上ありました。

内宮や外宮の荒魂(あらみたま)のお宮では、早朝に行くと「霊的充電」をしている「プロ」の方をお見かけすることがあるのですが、私の場合は充電できたかどうかは、はなはだ疑問です。
が、体の歪み(ゆがみ)は整体で治せるかもしれないけれど、魂の歪みは神宮参拝がベストであることだけは断言できます。

あまり関係がないのですが、伊勢へ行く往復の車の中で、美空ひばりの「カバーコレクション」を聞いておりました。
他の歌手が歌ってヒットした歌を美空ひばりが歌ったCDです。
本来の歌手よりも、美空ひばりの方が上手い曲が多く「さすがに天才だ」といたく感心しながら聞いておりました。
神宮参拝の途中には、こんな楽しみもあるのです。