マーガレット・サッチャー

マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』という映画が上映中です。
映画を見るのは私にとっては一種のタブーなのですが、ちょっとタブーを破って見に行きたい気がしています。
理由は政治家サッチャーに尊敬の念があること。
もう一つの理由は、映画でのサッチャーさんが喋る知的イギリス英語に魅されるからです。

マーガレット・サッチャーが活躍した時代は、ロナルド・レーガンミハエル・ゴルバチョフ中曽根康弘といったそうそうたるスターたちが登場しています。
今の政治家の人たちとは、格がだいぶ違っているような気がします。

サッチャーさんはイギリス保守党の党首でしたが、実家は雑貨商でした。
イギリスでは中流(中の下)階層の出身です。
上流階級ではなく「中の下」の出身だからこそ、労働党に対して何の気兼ねもなく、堂々と持論を展開していけたとも言えます。
逆に保守党で頭角を現すためには、女性だったということも含めて、大変な努力が必要だっと思います。

ヨーロッパでは中流階級とワーキングクラスとの格差が一番大きく「そんなことをしているとワーキングクラスに落ちてしまいますよ」という戒めの言葉を子供たちはよく聞かされるのだそうです。
勤勉などの徳性は、中流階級が一番強く持っているのではないでしょうか。

第2次世界大戦後、英国は戦勝国にもかかわらず国力が低下し、長い間「英国病」に苦しんでいました。
サッチャーさんは「自由な経済と強い国家」を旗印に、妥協を許さない強いリーダーシップで国をぐんぐん導きました。
政治家なので毀誉褒貶はあるとは思いますが、サッチャーさんがいなければ、今頃イギリスは間違いなく二流国以下に転落しているはずです。

私は映画スターや芸能界のことはほとんど知らないのですが、『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』で主役を演じるメリル・ストリーブという女優の演技も素晴らしいとのことです。
アメリカの女優さんなのですが、映画の中では完璧な「サッチャー英語」。
イギリスでは階級によって話す英語が違っているのですが、外国人としてはやはり「洗練された知的英語」を学ぶべきだと思うのです。
これからはちょっとサッチャーさんの英語を真似してみようかとも思っています。