ビル経営の勉強会 その2

2003年にもオフィスビルの大量供給があり、このことを業界では「2003年問題」と呼んで、需給のバランスが崩れることを大変心配していました。
しかしながら2003年の時は、テナント企業がそれぞれ1ランク上のビルに移る動きをし、市場の中で上手く解決できたのです。

超一流のビルが生まれると、一流にいたテナントがそちらに移り、二流ビルにいたテナントが一流ビルに移ります。
三流ビルや郊外にいた会社が空いた二流ビルへ。
レベルの低いビルほど影響を受けたかもしれません。

超高層ビルの誕生から40年経ったのですが、テナントが埋まらない場合、フロアの分割貸しが増える可能性があります。
そうすると中小ビルとモロに競合することになります。
再開発ビルは今まで工期が4年かかっていたのが、最近は3年へと短くなりました。
2012年には丸の内エリアでの竣工が増えます。

2011年2月末空室率は「超高層・大規模ビル」が5.7%、「大型ビル」が8.8%、「中型ビル」が12.3%となっています。
昨年後半から成約賃料がもう一段下がり始めました。
逆に、安くなったので真剣に探し出した企業も増えています。
移動先候補のビルはたくさん市場にあるので、ビルオーナーとしては成約賃料を下げてでも決めたいわけです。

新規供給されるビルは、超高層(地上20階以上)と大規模ビル(基準階面積300坪以上)が中心で、中小規模ビルの厳しさは当面解決される目途はないようです。
新宿はビル経営にとっては、かなり厳しい状況が続いており、また大阪は本町や淀屋橋から梅田エリアに移動の動きがあります。
大阪では「御堂筋」から「梅田」への一極集中化が起こるかもしれません。
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勉強家で講師が「貸ビル業はサービス業」としきりに強調していました。
「テナントをハッピーにさせるビル経営」が求められているのです。
地域の魅力はビルの魅力でもあります。
従って地域の魅力アップの活動にも、積極的に参加すべきとのお話。
全く同感です。