年千冊の読書力 その9

精読、速読、多読と、読書の方法はその人に合ったいろんな形があっていいと思うのです。
本に線を引きながら“じっくり”と本に向かう方法もありますが、やはり私は速読が一番自分の読み方にピッタリ合っていると思います。
私はたぶん「ななめ読み」という感じなのですが、最近は「飛ばし読み」という傾向があります。
雑誌を最初から最後まで読む人はまずいません。
適当に飛ばし読みしているはずです。
同じように本も必死に全部読まなければと思わずに、適当に割り切って読んでいけばいいのだと思うのです。
構えると本は読めなくなってしまいます。

スピードよく読んでいき、「これは!」という本に出会ったならば繰り返し読むのがいいと思うのです。
私も50回ほど繰り返し読んでいる本がありますが、その本からは読むたびにエネルギーをもらいます。
私は試験勉強のために本を読むことは滅多にないのですが、以前に「第1回不動産コンサルタント技能試験」を受けたことがあります。
長いこと不動産業界にいて大きな顔をしているのに「落ちたら恥!」という凄いプレッシャーの中で勉強したのですが、人がテキストを1回読む間に、私は3回読めるので、この時ほど速読のありがたさを痛感したことはありませんでした(おかげで無事合格できました)。

今まで速読の本をいろいろ読んできたのですが、結論から言うと、ほとんど役に立ちませんでした。
本を読み続けている間に、自分なりの速読法が身についてくるのだと思います。
多読していけば、勝手にスピードは上がっていくはずです。

以前に飛行機に乗った時隣の席に、上場企業の社長か重役風の人が、ボールペン片手にバンバン線を引いたり、印をつけたりしながら本を読んでいました。
それはそれでカッコよく、その人の「読書の型」が出来上がっておりました。
武道でもそうですが、上達者の「型」はきれいで、見ていて爽快なのです。