知的生活人 その6

deguchi2010-04-12

丸暗記は語学だけの話ではなく、例えば歴史。
私は天皇125代の名前を全部暗記してから、日本史が極めてよく分かるようになりました。
「じんむ・すいぜい・あんねい・いとく・こうしょう・こうあん…」と今上(きんじょう)天皇まで続くわけですが、これを覚えてからは日本史への興味も理解も格段に深まりました。
歴史上の何かの事件があった時でも、さっと自分の頭の中の地図を取り出して、それがどの辺に位置しているのかがすぐに分かる感覚です。

和歌でも漢詩でも何でもいいのですが、例えば万葉集の中の「にぎたつに 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな」の額田王(ねかたのおおきみ)の歌を語ろうとする時、これを覚えているかいないかでは迫力が全く違ってきます。
暗記しているかいないかで、もうそこで勝負ありなのです。
以前にカラオケの先生に聞いたことがあるのですが、カラオケを上手く歌うには「まずは歌詞を暗記すること」なのだそうです。

神道(しんとう)の祝詞(のりと)も暗記しました。
二千年以上前の言葉が連綿として今に続き、それを現代人である自分が簡単に理解できることもスゴいと思うし、また祝詞が外来語ではない「大和言葉」だけで成り立っていることにも驚かされます。
何よりも祝詞を暗記したことにより、「日本の神々」と自分の距離がぐんと近づいた感じがしたのが大きな収穫でした。

学習とは「暗記」と「計算」に尽きると思います。
高校までは学習での「応用」など必要ないと思うのです。
暗記を徹底的にやれば、勝手に応用が利くようになります。
これは社会人になってから自分で実際に勉強してみて、自信を持って言えることでもあります。