民族が入れ替わることもある

今の天皇陛下は、初代神武天皇から数えて125代目です。
125代の天皇のお名前を最初からすべて暗記したのですが、そうすると日本史が実にスッキリと頭に入るようになりました。
時代の前後がよく分かるようになったのです。

貴族政治や武家政治など、体制は色々と変わっても、ずっと「天皇」という一本の筋が日本史に通(とお)っているわけで、二千数百年間「同じ国」が続いているのです。
民族も変わっていません。

ところが中国は王朝が変わると、為政者が突然別の民族になることも少なくなくありません。
新しい王朝は前の王朝を引き継ぐどころか、極力その痕跡を消そうとするわけです。
中国四千年の歴史と言っても、途中ブツブツと切られていて、決して「継続」というわけではないのです。

秦、漢、隋、唐、宋、元、明、清、中華民国中華人民共和国というのが、中国の統一王朝の大きな流れですが、例えば「元」は蒙古族が収めた国家だし、その次の「明」は漢民族、そしてその次の「清」は満州族による支配です。
孫文辛亥革命というのがありましたが、これは「革命」というより「独立運動」だと捉(とら)えた方が歴史の真実に近いと思います。

以前に大学院で学ぶ中国人留学生の人に「中国の歴史の中で、一番良かった時代はいつだと思いますか?」と質問したことがあります。
「唐の時代が最高でした」との答。
今の中国のように人々の心が荒(すさ)み、マナーの極めて低い社会ではなく、唐の時代は物心ともども豊かであったようです。
家に鍵をかける必要がなかったとか。
唐から色々なことを学ぶために、日本からも遣唐使が派遣されたわけです。

漢字は偉大な発明だと思いますが、それをこしらえた民族はもう既に滅んでいると読んだことがあります。
全く違う民族なのに、自分たちの先祖が漢字を発明したと自慢するわけにはいかないのです。
近年、中国は伝統ある漢字を簡略化してしまいました。
文化的には大きな後退で、これは伝統や文化の断絶を意味するのではないかと思います。

それにしてもギリシャやエジプトを見ると、これがあの偉大な文明国の継承者たちかと思うほど、民度のレベルが地に落ちています。
長いこと不思議だと思っていたのですが、要は民族が入れ替わっているのですね。
そんなことって本当にあるのかと信じられないかもしれませんが、例えば今のアメリカが今から二千年もたてば、今の文明をこしらえたワスプ(WASP)が少数民族となっている可能性は十分あります。
なにせ出生率が全然違うわけですから。
二千年後にメジャーとなった(ワスプでない)人種や民族が、かつての「わずか建国200年での大繁栄した大国」を自分たちの先祖の功績として自慢しているかもしれません。