『LIFE』(加島祥造・PARCO出版・1,500円)

deguchi2008-01-25

『LIFE』(加島祥造PARCO出版・1,500円)を読みました。
キリストの圧倒的愛でもなく、釈迦の自助努力でもなく、孔子の秩序でもない思想が「老荘思想」。
ひと言で言えば、大自然にゆだねた生き方。
著者の加島祥造さんは老荘思想の大家です。
私の「読書チェック・パーソン」(その人の本は全部読む)の一人でもあります。
老子の考え方を知ろうと思っても、なかなかその手段がないのですが、加島祥造さんの本を読めば、自然にそれが体得できます。

この本の冒頭にいきなり出てきた言葉にシビれました。
大自然のゆったりしたリズムが私たちの体の中にもある。それに従えば、気持ちが安らぐ」。
社会に出てから、常に人間社会の波動の中で生きてきたわけです。
大自然のゆったりしたリズムからは、程遠い生き方。
それがけっして悪いと言うわけではないのですが、ある時期が来たら、本来人間が持っている大自然のリズムに合わせていってもいいかもしれません。
少なくとも私はそうしたいと思います。
今までのガンバリズムとの決別でもあります。

ただ何もしないで無為自然に生きようとは思いません。
生涯「仕事人間」として淡々と努力を積み重ねていきたいと思っています。
けれど、仕事の結果に対しては天にお任せしてしまう。
ガツガツと結果ばかり追い求めて、周りに迷惑をかけながら走り回るのは、天の道とは程遠い生き方。
悠然と仕事に臨み、淡々と努力を継続し、道を楽しむ。

仕事を金儲けだと思うから、さもしい顔になるのです。
むろんビジネスなのだから、経済的な基盤は確立されなければなりません。
「儲かる仕組みづくり」を追求することはすばらしいこと。
「儲かる仕組みづくり」は「ビジネスモデルの創造」と言い換えてもいいかもしれません。
その仕事がどれほど社会に付加価値を生み出しているかが、その仕事の価値。
シュンペータは企業家精神こそが時代を動かしていく原動力だと言います。
その企業家精神のエッセンスは「創造的破壊」。
「新結合の遂行」と訳の分からない日本語訳で勉強したのですが、要はイノベーション
いかに世の中を豊かにする仕事をしていくか。
そのための技術革新、事業革新、経営改革こそ企業家の務めなのです。
今日は老子の思想からシュンペータに飛んでしまいました。