ザルツブルグ5日目

「人口わずか15万人のザルツブルグが、どうして世界中から観光客を集めることができるのか?」を、思いつくままに考えてみました。
①岩塩が採れるため昔から繁栄し、また独立国としての時期もあり、城を始め観光資源に恵まれている
モーツアルトが生まれた街として有名
③映画の名作「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台となった
④ちょっと足を伸ばすと「ザルツカンマーグート」や「ハルシュタット」のような素晴らしい自然を堪能できる
ザルツブルグ音楽祭のように世界的に有名な催しがある
⑥ひじょうにレベルの高い音楽学校がある

これだけ条件が揃えば、住民よりも観光客の方が、毎日多く滞在しているという状況になるのでしょう。
ザルツブルグの産業はずばり観光。
これが宝塚に応用できないかと思うのです。

宝塚も大阪のベッド・タウンで、主なる産業はありません。
産業は非弱だけれど、住んでいる住民の経済的、知的レベルは高いわけです。
芦屋も目立った産業はありませんが、高級住宅地として全国に名を馳(は)せています。
「芦屋のメインの産業は不動産業だ」というのは冗談ですが、それぐらい街の産業としては何もありません。

宝塚を芦屋のように「静かな高級住宅地」とするのか、かつての宝塚のように観光の街にするのかのコンセプトを最初にキッチリと決めておかねばならないと思います。
ファミリーランドが全盛の頃は、道路が混んでどうしようもなかったことがあります。
「静かで落ち着いた佇(たたず)まい」というのは、ひじょうに魅力があるのですが、ここは一つ観光立市の方法を考えてみたいと思います。

モーツアルトに匹敵する日本人はいないかもしれないと思っていたのですが、いたのです、これが。
それは手塚治虫
今後アニメは世界的に、もっともっと広がっていくと思います。
そうなるとその最高峰には手塚治虫がいるわけです。
きっともう少ししたら、手塚治虫が世界的に脚光を浴びていくに違いないと、確信に近いものを感じます。

手塚治虫は子供の頃、宝塚に住んでいました。
名作『アドルフに告ぐ』は川面郡(今の宝塚市)御殿山での殺人事件から物語が始まるのをご存知でしたか?
手塚治虫の漫画に出てくる男装の麗人などは、宝塚歌劇の男役からイメージされているのがハッキリ分かります。
宝塚には「手塚治虫館」がもう既にあります。
まずこれが一つの核。

宝塚歌劇のおかげで、宝塚の全国的な知名度は相当高いものがあります。
私の知っているドイツの女性2人は毎年必ず歌劇を見に長期休暇を取って宝塚にやってきます。
どうして宝塚歌劇のファンになったかと言うと、ドイツ公演がキッカケだったそうです。
ショーの部などは、十分世界に通用する実力を持っていると思います。
世界的観光地にするのに、これを活かさない手はないわけです。

ヨーロッパの一流の観光地には必ず馬車があります。
宝塚も歌劇場前から馬車を出せばいいと思うのです。
歌劇場から宝塚大橋を通り宝塚南口へ。
そこから宝塚方面に帰り、宝来橋を渡り、花の道を通っての1周。
これは宝塚のイメージアップにも役立ち、収益的にもいけるのではないかと感じています。

と、ザルツブルグのホテルの早朝にこれを書いているのですが、そろそろ出発の荷支度の時間です。
また構想を練ってみたいと思います。