『空手超バカ一代』

deguchi2009-07-05

『空手超バカ一代』(石井和義文藝春秋・952円)の紹介です。
かつて『空手バカ一代』という一世を風靡した漫画がありました。
空手家・大山倍達という実在の人物のストーリーですが、空手ブームに火をつけたことは間違いがないと思います。
柔道をやっていた私も、トレーニング方法などでかなり影響を受けました。

著者はその大山倍達の孫弟子にあたる人です。
空手バカ一代』の中にも出てくる「芦原英幸」という人も実在の人物ですが、「ケンカ十段」という呼称とともに、30年以上たった今でもよく覚えています。
著者はその弟子。
とにかくこの系列は強いのです。

著者は名うての空手家で、しかもK-1創始者として有名なのですが、ユーモアを持ち、ちっとも「偉そばらない」態度には好感を持ちました。
カリスマ空手家の「大山倍達」や「芦原英幸」(どちらも故人)も身内の立場から見ると、けっして神様のような存在ではなく、欠点もよく見えたようです。
空手がメインテーマの本ですが、これを読んで「もっと鍛えなければ」などと思わなくてもすみ、クスクスと笑いながら楽しく読み終えることができたのは、著者の人柄のせいでしょうか。