『松居一代の超整理・収納術』(松居一代・主婦と生活社・1,200円)

そんなに期待しなかったのに、読んでみるととてもよかった本でした。
舛田光洋さんの本でもそうですが、整理整頓は単に見た目のきれいさだけのものではないということが、よく分かりました。
一言で言えば「開運のため」。

ある時、松居一代さんのところに来た友人が「どうしてこんなにモノを持っているの?もっとすっきり生活したらいいのに…」。
松居さんの反発をものともせず、その友人は「世の中で一番高いものは、土地代と家賃。ガラクタを住まわせておくとは、もったいない」。
そして決定的な一言が「このままモノに潰されていると運気が下がるわよ」。

「運気」ということばに松居さんはムチャクチャ弱い。
松居一代さんのお父さんは競艇選手。
40年間勝負師として生きてきた家庭なので「一に運気、二に運気」で来たからです。
運の弱い人や閑古鳥が鳴いている店には近づかないというほどの徹底さ。
いらぬモノを捨て出した松居一代さんに、運気が再び戻ってきたことは言うまでもありません。
44歳で幸せな再婚(相手は俳優の船越英一郎さん)。

今日たまたま会長室の整理をする予定だったのです。
松居一代さんの本を読んでいたものだから、かなり気合が入りました。
1人の社員に手伝ってもらいながら、部屋を整理し出しました。
10畳ぐらいのそんなに大きい部屋でもないのに、片付けるのに2人で午前中いっぱいかかりました。
ゴミ袋10袋分ぐらいのゴミと、粗大ゴミが机二個分ぐらい出ました。
粗大ゴミの方は有料で引き取ってもらう予定です。

余談ですが、処分という作業は相当疲れます。
作業していた2人とも、最後の方はヘトヘト。
単なる肉体の疲れ以上の、ガックリとくる疲れです。
これは私の推測ですが、処分されるモノの恨みが、影響を与えているのではないだろうかとも感じます。
モノの処分は、予期する以上に時間と体力を使う重労働です。
会社全体を一挙に取り掛かってやろうなどとは考えずに、やる範囲を最初に決めて、少しずつスッキリさせていく方法がいいのではないかと思います。

「いつか使うだろう」と「捨てると“もったいない”」は処分の敵ですね。
「思い切って処分」はトップにしか出来ない決断力が要求されます。
「いつか使うだろう」は尤(もっと)もな意見なのですが、結局永久に使わないわけです。
今日処分したファイル類でも、少なくともここ3,4年間は全く使っていません。
「もったいない」だって、使いもしないものでデッド・スペースを作り、高い家賃を払っている方が、よっぽどもったいない。
だから今日は迷いなしに処分。
空間的にも、気持ち的にも、運気的にも、ものすごくスッキリしました。